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DIY、偽装工作に走る
偽装計画 中篇
しおりを挟むアイスプルに人を招く、その未来を話し合う会議で反対と言う声が出た。
先住民である魔物たち、その代表者である風兎である。
「とりあえず纏めるぞ。形はどうあれ、招くなら隔離。これは問題無いな?」
『ああ、可能であれば厳重に封じ込めるべきだろう』
「その辺は追々。説明した通り、この星そのものが求めるナニカを見つけるためにも、必ず【聖女】が必要だ」
『……お前の妻ではダメなのか?』
「──ある意味論外だな」
ルリの職業は【開祖】、そして【神聖女】の二重職。
後者の名前でお察しの通り、ある意味条件は満たしていた。
しかし、それは『SEBAS』に確認している……どうやらダメらしい。
「何でも【勇者】、【魔王】、【聖女】でそれぞれ満たさなければならない条件があるみたいなんだ。【聖女】満たさなければならない条件の一つが、巡礼と改宗」
『…………なるほど、後者か』
「そう、ルリ自身が現人神である意味主神そのものだから、改めようが無いんだ。下手に何かをしてルリのやりたいことに悪影響が出るのは避けたい」
そういった理由もあり、論外と告げた。
だからこそ第二の案として、外部からそれらしい人材を招きたいわけだが……それで魔物たちに害が出るんじゃなぁ。
「いっそ、魔物たちが居る場所と別の島でも創ってみるか? そこだけがこの世界のすべて、そう思えば出ようと思わないだろうし」
『…………ふむ、有りなのではないか?』
「消耗が激しいのが問題だけどな。でも、これなら風兎的にも問題無いのか」
『魔物への害に備える、これは譲れない。だが、この星や創造神様方への恩を忘れることなどできない……これは言わば妥協案だ』
まあ、妥協だろうが何だろうが、話が先に進められることは実に良い。
自分で言っていて、偽装都市ならぬ偽装大陸は割といいアイデアだと思う。
そんなことを考えていると、共に会議に参加していたメンバーの一人が挙手をする。
「はい、そんなこと本当に出来るの?」
「カルル……まあ、できるぞ。SP、星の力で小さな島をちょいとな。魔法とかで造るのと違って、星のパワーで創るから魔法との相克なんかも気にしなくていい。地形とかも考えなくていいんだよな」
「ふーん、便利なんだね」
「さっきも言ったけど、その分だけ消耗が激しいんだ。そうだな、魔族の大陸にある例の冒険者の侵入を拒む機能、アレなんか相当掛かるぞ」
「知らなかった……」
挑む者たちの記録を洗ったり、それを拒絶する仕組みなどにいろいろと経費が掛かっているようで……単純な転移阻害より、膨大な量のSPを使うのだ。
ここからは都市(小島)をどうするのか、参加者たちで話し合うことに。
そんな中、ある意見が参加者から上がるのだった。
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