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DIY、偽装工作に走る
集団就職 前篇
しおりを挟むアイスプル 迷宮『星績の賢究所』
星に必要なモノを確認した。
どうやら【勇者】と【魔王】だけでなく、世界は【聖女】をも必要とするようで……深い事情とかありそうだな。
「──さて、ここに解決する方法が何かあればいいんだけど」
訪れたのは『SEBAS』が開発・研究を行う迷宮内の施設。
迷宮ならば、基本的に外壁は壊れないし中のモノも逃げ出さないからな。
……そういう前提でやっている辺り、いろいろと問題があると突っ込まれそうだが。
それでもすべては未来への投資、多少の事にはお目溢しをしていた。
「人以外の存在が職業の恩恵にあやかる、それ自体は可能なんだよな……」
ワールドクエスト、星が求めるナニカへと辿り着くための軌跡。
アイスプルにはそれを行うための資格が無く、俺だけではそれを集められない。
その一つである【聖女】、男のアバターでプレイしている俺には絶対に無理なものだ。
ならば俺以外が……と思うところだが、内の住民は文字通り人外だらけだ。
「俺が手を加えずとも、就職可能なのはカエンとカルル、あとエクリ……『SEBAS』じゃなくてセバヌスもイケるか。銀花はすでに【機械整備士】に就いていたし、変更自体は可能だな」
この星に就職・転職用のアイテムは無い。
俺自身、メイン職業である【救星者】を一度も変更したことが無く、その職業能力でアイテム無しで自由に変更可能だからだ。
そんな状態であったため、これまで職業に関する話はこの世界でも出ていなかった。
まあ、カルルに関してはある意味擬似的に経験していたことだろうが。
「銀花が職業に就けていたのは、『機械皇』の研究の成果だったっけ?」
《そのようですね。下級職に限り、システムの恩恵を機人があやかれるようにしたようです。階級が高ければ高いほど、条件達成を見るために確認される要項が増え、偽装が暴かれるのでしょう》
「アレか。資格は難しいものほど求められる基準も変わるってこと……選ばれしエリート様には、ただ頭がいいだけではなれないってわけだな」
そして、隙の多い下級審査を誤魔化すシステムを『機械皇』様が開発したわけだ。
星が修正を加えない以上、人の努力として認められたのかもな。
「あるいは、超級や極級に手を出したら修正じゃなくて制裁が加えられるのかもしれないけど……まあ、そこは気にしないでおくか」
《旦那様、いかがなされますか?》
「ある意味強化イベントみたいなもんか……構造自体は調べてあるんだよな?」
《旦那様が他世界での就職を行った際、すでに何度も。世界間での差も調べておりますので、アイスプルオリジナルの品を現在構築中でした》
さすがは『SEBAS』、こんなこともあるかとを地で行ってくれる。
──それじゃあさっそく、作ってみるとしますか。
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