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DIY、捌いて裁く

懇神会 その25

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 槍使いの英霊と半神半人の英雄ヘラクレスの戦いは、ヘラクレスの勝利に終わった。
 勝機は『プログレス』にあり、これからも研鑽を続けてもらいたい。

「──終わり、ですね」

 英霊たちの戦いが催し的にはほぼ終盤。
 最後にあるイベントを行ったところで、現在は閉会式が行われている。

 しみじみと呟く俺は、箱を持っていた。
 それは最後の催しである、ビンゴ大会で当てた景品だ……神様でもビンゴは楽しめるようで。

「中身は帰ってからのお楽しみ、か。開かないようにシステム的なロックまで掛かっているし、いつもみたいに開けますか」

 毎度のことながら、中身がランダムなアイテムの開封時に行う儀式的な方法。
 それを行なえばいいアイテムが出るのではという、ジンクス的な行いだ。

 まあ、やらなくてもいいのかもしれないのだが、逆にやらなくて後悔するよりかはやって後悔しておきたい……ルーティーンって重要な気もするし。

『──とまあ、長い話はこれくらいにしようか。今回の懇神会、楽しんでもらえたようで何より。次回も予定しているから、その時はうちで歓迎させてもらうよ』

「…………創造神様」

 うん、こっちにウィンクしてくる。
 失名神話の名に相応しいというかなんというか、現在彼らの神話領域はここギリシア神話や北欧神話ほど豪華では無い。

 その辺は何度か話を聞いている。
 俺もそれを聞いて貢物として家具を何度か献上しているのだが、大型の施設などは俺一人の信仰では足りず困っていた。

 アイスプルの民たちが、少しずつ信仰してくれて多少は大きい物も贈れるようになっていたのだが……どうしよう、さすがに神殿クラスはまだ無理だぞ?

『それじゃあ解散! またいずれ!』

 短く纏め、会を終わらせた創造神様。
 少し前に[クノッソス]の下へ送られた時と同様に、足元に魔法陣が展開されどこかへと転移される。

《座標を特定──始まりの街です》

「ならいいか……また神殿だと、いろいろと揉めそうな気がする」

《今回の件、そして今後について一度相談為された方がよろしいかと》

「……そうだな。次、とやらがいつなのかも気になるし」

 俺の布教が足らず、失名神話の神々にご迷惑をお掛けしました……というのは嫌だ。
 少なくとも、恩神である彼らは俺にメリットをいつも提供してくれていた。

 借りに借り続けた恩を返すためにも、他の神話が驚くような領域を構築しなければならない──背に腹は代えられない、多少強引でも事を進めようか。

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