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DIY、捌いて裁く

懇神会 その13

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「──ははっ、やっぱり最高だね!」

 映像越しに行われるツクル君の『余興』。
 アレをただ『余興』と言い張れるのは、後にも先にも彼だけだろう。

 ──『冥宮雄牛[クノッソス]』。

 簡単な説明をツクル君の執事『SEBAS』君に説明しておいたけど、それは本当に一部。
 隠していたわけじゃない、ただ彼らには不要な情報だっただけ。

「……信じられない、あの[クノッソス]を相手に」

「英勇殺しがあんなに苦戦するの、初めてだろう?」

「くそっ、何で俺はあの場に居ないんだ! アイツとなら、絶対に熱い戦いができた!」

 うんうん、エインヘリヤルもヘーロースも盛り上がってるね。
 彼らは何度か相対しているだろうし、その強さも知っているのだろう。

 神々が彼に挑むことは無いし、それは■■に違反する。
 だからこそ回りくどく封印を選んだし、その討伐の命が下されていた。

「──けどさあ、あそこまでする必要は無いと思うんだけど、お爺ちゃん?」

「……お前さんに爺呼ばわりされる筋合いは無いな、若作り爺が」

「酷いなぁ。これはツクル君が丹精込めて創り上げてくれた姿だよ? そんな風に言われたくないなぁ」

「どうせ誘導したのだろう? 星渡りの民が来る前から、同じようなモノではないか」

 いやー、どうだったかなー?
 まあ、僕は若作りの精霊神と違ってちゃんと若い……はず。

 そりゃあ◆◆◆◆に比べればお年を召しているとは思うけど……うん、ギリシア神話や北欧神話の主神に比べれば若いもん。

「そ、それよりほら、アレ……わざわざ加護まで与えてたんだ」

「あそこまで至ったのだ、試練を超えた者には報酬を与えねばならん。それはたとえ、怪物であろうとな」

 そう、ここに来た主神様ゼウスの加護によって、[クノッソス]は強化されている。
 だからこそ、英勇たちも彼を討伐しようと意気込んでいるわけだけど。

「加護持ちを倒せば、その加護を代わりに得られるとかなんとか言っているんでしょ? 昔なら気に入った女の子に、ほいほいあげていたくせに」

「…………加護の内容が違うからいいのだ」

「まあ、それはいいんだけど。そろそろ使うみたいだよ──結果がどうあれ、僕のツクル君に手は出さないでよ?」

「女であれば違ったが……今回は、何もしないでおこう」

 ふう、ツクル君が女性としてこっちの世界に来てなくて良かったよ。
 この神様に目を付けられると、本当に面倒だからね。

 映像を見て動揺する英霊たち──まるでこちらで行われているかのように響く轟音。
 ツクル君と相対する[クノッソス]、彼がついに全力を出したのだ。

 あっ、後であること無いことあの神様に伝えておこうっと。
 ──その間に全部終わらせれば、ツクル君も安泰だからね。

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