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DIY、捌いて裁く
懇神会 その07
しおりを挟む予想以上の急展開に困惑する俺。
共に逃げる者たちともある程度差ができてきたので、体を『SEBAS』に完全に委ねて当時を振り返ることに。
◆ □ ◆ □ ◆
『──ようこそ、僕たちの行う最後のショーへ!』
『…………』
『アレ? 白けちゃったかな……でもまあいいか、これからショーを盛り上げていくのは他でもない君たちさ!』
そう、俺はたしかに失名神話の神々に対する妨害工作をどうにかするため、必死に警戒していたはずだった。
相手が神の権能か神器を使っているならばと、おそらく創造神様の権能の一部が宿っているであろう神器『万能手袋』を付け、見張りをしていた。
そして、『SEBAS』が見つけた違和感にその手袋を押し付け、初めて掴んだ感触に攻撃を仕掛け──ようとしたところで、突然こんな状況になっていたわけだ。
俺、そしておそらく手袋で触れようとしていた者たち。
彼ら自身に神威を感じないため、英霊の類だったのだろう。
彼らも状況に困惑しているようだが、それよりも驚きなのは今居る場所。
先ほどまで居た舞台裏では無い、どこか分からない謎の建物内だ。
『ごめんね、ツクル君。君が僕たちのために考えてくれていたのは分かる……けどね、そうして使徒でもある君に任せっきりというのも些か問題になっちゃうんだよ』
「……と、言いますと?」
『君の想像通り、その手袋は僕の権能でもある。そこから干渉すればこうして、どこからでも触れたものを引っ張り出せるんだ』
手袋を創造した際、俺は某猫型ロボットの秘密な道具をイメージした。
創造神様の説明は、まさにそれに登場するお取り寄せ(物理)なバッグのものだ。
『君、そして手袋を媒介にする以上君までその場に呼んでしまった……それは本当に悪いと思う、ごめんね?』
「あ、あの……創造神様、これからいったいこの場所で、何が行われるのでしょうか?」
『ふっふっふ、いわば審問会だよ。だけど、僕もそしてみんなも優しいからチャンスを用意したんだ。反論、そして言い訳……何でも言っていいよ──そこで、言うことができているならね』
ドシンッとどこかで響く音が。
その音は何度も何度も鳴っていき──少しずつ、こちらへ近づいてくる。
『ツクル君は神練で知っていると思うけど、僕たち神々は少しばかり便利なものを取り揃えている。今回は他の神話の神たちも面白そうだから……じゃなかった、とても重要な案件だから協力してくれたよ』
「せめて隠してください……えっと、それがまさかこの──」
『そう、相手が神で届き得る! ギリシア神話のお爺ちゃんが隠していた秘蔵っ子! それと君たちで鬼ごっこをしてもらうよ』
「…………ま、まさか」
慄くのは俺ではなく英霊の一人。
見た目的にヘーロースの一人だと思うが、創造神様の発言の内容と照らし合わせると、彼らでも知ることができる厄介な存在か。
『たった今からスタートだよ! さぁ、自分の主張で生を勝ち取るんだ!』
よく分からないが、要するに──俺は完全に巻き込まれただけのようだ。
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