虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、捌いて裁く

懇神会 その04

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 懇神会の開催に伴う乾杯、樽に並々と注がれた神の酒ネクタルを一気飲みした俺。
 主神クラスからの反応は良さそうだが、これはまだ第一関門に過ぎない。

「くっ……反動が凄いですね」

 お酒に伴うアルコール成分は、死に戻ることで何度もリセットしている。
 問題は、飲み干したネクタルの効能……低品質ならばともかく、神の飲むそれは特別。

 最上級の神の酒は、文字通り神々が飲むための品。
 それは献上品として最上級という意味だけでなく、単純に──神しか飲めない物。

 神の力が注がれなければ完成しない、それこそが神の酒ネクタルの最高級品。
 そのため、人族が大量にネクタルを摂取すると……うん、最悪廃人になるのである。

「…………ふぅ」

「ほぉ、やるではないか」

「ええ、何とか。あまり、激しい動きはできそうにありませんが……」

 俺が宿す:DIY:スキル、それは創造神様の権能に細工が施されたモノ。
 EHOを始めてから、ずっと宿しているためか【救星者】もあり神の力を得ていた。

 ネクタルを飲んだことで、俺の中に僅かに宿る:DIY:経由の神の力が活性化。
 そしてそれは、俺の虚弱な体では決して耐えることなどできず……。

 それでも俺の特権である無限トライは、少しずつ体にネクタルを適合させていく。
 破壊と再構築の果て、少しずつ体に収めたネクタルを消化していった。

「ゼウス神、これはご承知のうえで?」

「何のことやら。ただ、客人には丁重な敬いが必要では無いか?」

「……普通の神でも、この濃度では酔ってしまうのでは?」

「普段は明かせぬ胸の内を晒す、それもまた懇神会の醍醐味よ」

 分かってはいた、だがあえて無視した。
 たとえそれが自分に隠れてやっていたことでも、どうせ問題無いから……と考えていたらしいゼウス神。

 まあ、創造神様も笑っていたようだし、問題は本当に無かったのだろうけども。
 会話をしている内に、どうにかネクタルの過剰摂取分は抑え込む。

 神の力が流れ込んだことにより、体に多少の変化が起きているようだが……その確認については後回しだ。

「えー、少々お待たせしてしまいました。ゼウス神様、お言葉ありがとうございます。続きましては、ギリシア神話のヘーロースの皆様による──」

 ある程度動くようになった体を動かし、会の進行を再開する。
 ゼウス神はニヤリと笑って壇を下り、それから間を開けて英霊たちが入ってきた。

 しばらくは会は予定通り進んでいく。
 問題が起きたのは──失名神話の出番が訪れる少し前のことだ。

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