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DIY、捌いて裁く
続探索イベント その14
しおりを挟む空間の捻じれ、少しでも道を踏み外せば即死する命がけの近道。
巨大になった掌に乗り、いくつかの扉を通り過ぎ──目的の場所に辿り着く。
《目的地に繋がる扉へ到着しました》
「ここから出ればいいわけか…………さて、これをどう壊せばいいのやら」
扉に鍵穴は存在していない。
おそらく、きちんと攻略を進めることで開く仕掛けだったのだろう。
しかしながら、そんなことまったくしていない俺に扉は道を示してくれない。
なので、俺が選ぶ手段は強硬手段一択なのだが──問題がある。
「ここで死に戻ることはできないんだよな。前みたいなやり方は、できないわけだ」
この場所に来る際は、『破天』の権能と縮小&巨大化の『プログレス』で強行突破したのだが……鍵穴が無いタイプの扉なので、同じやり方はできない。
俺の持つ攻撃手段は、大半が超高火力。
ただし、反動が自分にも及ぶ物ばかりなので今回は使えない……だが、いつまでも居られないようで。
《旦那様、空間の捻じれは場が不安定なのでそう長くは持ちません。エリアとしての制限時間だけでなく、こちらもご注意ください》
「うーん、壊すだけなら『万壊の破城鎚』で良かったんだけどな…………仕方ない、一仕事頼もうか」
少々危険な場所だが、『SEBAS』に保護してもらえば大丈夫だろう。
俺の発言で結界を準備してくれているようなので、そこに手を出してUIを操作する。
「来い──メカトラ」
『ガウッ!』
願望機が一機、機星虎のメカトラ。
現状普及している『プログレス』の雛形、願いを叶える機械が持つ力を今回は発揮してもらうことに。
「さっそくで悪いが、『鍵』になってくれるか? 報酬はたっぷりと、魔石を用意しておいてもらうからさ」
『ガウッ!』
「よし、いい子だ──『展虎解放』!」
『ガウウウッ!』
それはかつて、パシフィス世界で用いた鍵となる力──と対の形態。
アレが万物を閉ざす力ならば、こちらは万物を開く力。
虎の姿をしていた機械は、咆哮を上げた直後にその姿を組み替え──巨大な鍵に。
俺に配慮し、自重軽減機構が組み込まれたそれを握り締めて構える。
「──開錠」
扉へ鍵を突き出すと、何も無いはずの扉はそれを受け入れた。
俺はそれを奥で突っ込み、捻ると──何も無いはずの扉がガチャリと音を鳴らす。
「おっ、開いた……条件達成で自動開扉する仕様なのか」
『ガウ……』
「すまんな、報酬は『SEBAS』が用意してもらってあるから、味わってくれよ」
『ガウッ!』
この場から退散したメカトラに感謝を伝えて、俺はこの先へ進む。
そして、その先では──
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