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DIY、捌いて裁く
かつての技術 中篇
しおりを挟むかつて存在した技術、そしてそれを生み出したモノに想いを馳せた。
神代、神々が地上に居た時代に、人族で何かを成し遂げた者は居るに違いない。
「神代魔道具……現存する魔道具とは一線を凌駕する、圧倒的な性能を持つアイテム。その一つはあの地下世界……アレは、一定規模の人族の集団が在れば、自動的に繋がる道ができる特別な効果がある」
そう、暗躍街や闇厄街に繋がる道は決して一つではない。
そのうえ、地上の発展に伴いどんな場所にでも作られる可能性を持っていた。
ゲームで言うなら、それこそワープゾーンのような使い道を画策できそうなものだが。
残念なことに、システム的にロックが掛かり入った場所からしか基本的に出れない。
なお、『プログレス』でもそういったシステム的な問題に干渉できる能力の使い手が解除に挑んだところ、失敗したうえに反撃までされたとタクマから聞いたことがある。
もともと、『プログレス』の仕組みは神代魔道具である願望機を基に構築されたモノ。
そちらに対して設けられていたと思われる対策により、あっさり無効化されたわけだ。
「高い技術力…………そして、案役街。そうか、可能性はゼロじゃないのか」
《…………》
一度、俺はあの地下街に存在する第三の街に近づいたことがある。
そこは肉体を使わずに居られる、量子と霊子の電脳世界。
神代において確立していた、魂の観測により保存された亡き人々の住まう街。
俺自身はその中には行かず、差し向けられた刺客を入り口の前で追い返したのみだが。
「まあ、お前なら何かやっているだろうな。いや、構わんよ別に。すべては、俺の……家族のためになることだろうしな。というか、大当たりのアイテム二つ渡したし」
《申し訳ありませんでした。しっかりとした情報をご提示できるまで、ご報告は後回しにと考えておりました》
「ああ、それでいい。干渉したところでできることは大してないし。あえていっさい俺が手を出さない方が、利点が多いって考えてのことだろう? なら、そのまま貫いたうえでいい結果を出してくれればいいさ」
《畏まりました。その命、強く刻みます》
壊れた模型と一枚の紙、それが必要だということで例の街に贈ったのだ。
アレ以降、俺が案役街で何が起きているのか知らないが……絶対に何かしている。
とはいえ実際問題、俺があの街に入ってできることは大して無いからな。
そもそも、入場の辺りでほとんどの奴は詰む仕様だし。
まあ確かに、中に住まう人々の中には神代の技術を把握している者も居るだろう。
だが、それは『俺』が聞く必要は無いわけで……うん、『SEBAS』にお任せだ。
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