虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、刺客に抗う

ビルドおさらい

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 ルリとの出会いを振り返ってみた。
 なんだかんだ、人生の転機というものはどこに転がっているか分からないモノだ。

「──さて、“職業系統樹”……幹の方はそれなりに埋まってきているんだよな」

 第零次職業──見習い系の職業が『幹』と呼べるもの、そしてそれ以降は『枝』だ。
 最上位職業はそのたとえだと、『実』ということになる……ある意味別物だしな。

 見習い系の職業はすべてカンスト済み、そして“職業強化”も済ませてある。
 なので、いちおうではあるが俺は器用貧乏ぐらいのことは可能だ。

 ただし、見習い系の職業は非常に出力が低いため大したことはできない。
 次いで開放される第一次職業の方は、まだ強化が済んでいない──ただ数が多いのだ。

 まあ、興味本位で【勇者】といういかにも時間が掛かりそうな職業に手を出した時に、もう必要経験値量の多い職業はやらないと諦めたわけなのだが。

「時間もあるし、そもそもやっておかないと生き残れない可能性も有るからな……対策はやれるだけやっておかないと」

 俺──もとい『ツクル』のプレイスタイルから考えよう。
 職業ビルドは……大器晩成型、経験値さえ稼げれば最終的にどんなことでもできる。

 そして、サブというかほぼメインとも言える[称号]ビルド。
 EHOの場合、『称号』にもとんでもないものがあるためそんな呼ばれ方がされる。

 当然、俺の場合は『生者』による即座の復帰と生存。
 また生と死、どちらかが称号名にあれば、枠を無視してセットすることができる。

 加えて、“職業強化”で常駐化をしておらずとも五つまでなら職業スキルを使うことができるおまけ付き……能力値の補正という恩恵は無いものの、特殊効果で充分だった。

「──そして、:DIY:。戦闘に直接関わるわけじゃないが、非戦闘中だろうとほぼ無敵になれるチートスキル。生産に関して他の追随を許さない圧倒的技術力も授けてくれるこれこそが、勝利の鍵になるかもな」

 職業も[称号]も、俺より優れたものを有している者は多い。
 前者は俺がまだ未熟だから、後者もまた戦闘そのものを有利には進めづらいからだ。

 しかし:DIY:は創造神様からの賜り物であり、絶対無二の権能。
 同様に、神々から力を授かればとも思うのだが……不思議と負ける気はしなかった。

「まあ、信仰を広めて失名神話の皆様には貢献して恩返しをするとして……今の俺にできることは何だろうか?」

 万能の創造スキルとも言える:DIY:、その唯一の弱点は魔物由来の素材は用意することができない点……そのように、補えることはたくさんある。

 まずは一つひとつ、それらを潰していくのが先決か。
 もう一度タクマの所に行って、情報収集でもしてみよう。

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