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DIY、刺客に抗う
治外法権 後篇
しおりを挟むアイスプル
タクマから情報を貰った。
原因不明の再[ログイン]待機時間延長、そこに俺をこの世界から抹消するヒントが隠されている気がしないでもない。
「……まあ、それならそれで[称号]の無効化ぐらいはできないと俺には通じないけど」
かつて得た[称号:『死を極めし者』]。
死に戻り時、即座に肉体を修復しかつデスペナも受けないというチート効果……その分得るための死亡数がえげつないけども。
単純に必要な時間を延ばすだけというならば、元よりゼロな俺には意味が無い。
いちおう、[称号]の無効化はシステム的に可能である……もう対策済みだが。
「ただ、『超越者』やそれに準ずる存在。また神代魔道具なんかが使われていると、実際どうなるか分からないけどな」
前者は言わずもがな、『生者』と同等以上の権能の持ち主に常識は通じない。
封印特化の『超越者』、なんてものが居ればおそらく防ぐ術は無いだろう。
また、神代魔道具も厄介だ。
アクセスできない技術の最先端、魂の保存すら可能にした時代の魔道具、それを利用すれば俺を殺すことだって可能なはず。
他にも『プログレス』だって、最近はどんどん成長を遂げている。
……が、こちらは女神の方のプログレスが何とかしてくれるので大丈夫だろう。
「『SEBAS』、アイスプルは安全な状態なのか? さすがに住民を巻き込むのは忍びないぞ」
《問題ございません。今回の特例は、会議に参加した星のみが対象となります。冒険世界や夢創世界……イベント世界は、旦那様の活動範囲であるからこそ、対象に含むため賛成派の数を確保したうえで呼ばれました》
「……なるほど、つまりアイスプルやレムリア、パシフィス世界なんかに居れば、その特例は意味を成さないわけだ」
《はい。ですがアイスプルはともかく、残り二つの世界では旦那様を絶対に庇うという保証はございません。あくまでも、彼らは己の世界を守るための選択を取るでしょう》
まあ、何はともあれアイスプルにさえ居れば安全というわけだ。
このまま引き籠もりENDになるルートもあるかもしれないが、それは止めておく。
家族でアイスプル以外の場所へ、と言われた時に行けないのも嫌だし。
それに……元よりジンリに狙われる身、今更な気もするんだよな。
「そういえば、ジンリと俺を殺そうとする連中が手を組むなんてこともあるのか?」
《いえ。彼は奥様のことをよく知っておられますので、反感を買うようなことはおそらくは避けるかと》
「おっと、ルリのご機嫌取りをしておかないとな……何かする前に、死人が出ることは避けたいし」
ルリが知って、何かを感じる前に俺からその出来事を楽しんでるとでも言っておかないと、最悪の未来が訪れてしまう……急げ、直ちに[ログアウト]だ!
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