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DIY、刺客に抗う

治外法権 中篇

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 暗躍街 中立域

 世界から、一種の治外法権扱いでご自由にと差し出されてしまった俺。
 結果として、冒険世界に置いて安住の地はほぼ失われたに等しい。

「……と、いうわけでだ。この情報を面白おかしくばら撒いてくれ」

「正気か……なんて言う必要は無いか。お前は最初から狂っている」

「おい、酷いこと言うなよ。俺にだってしっかりと考えがあってのことなんだぞ」

「しっかりとした、ねぇ……まあいいや、とりあえずいろいろ確認させてもらうぞ。その辺の情報が必要だからな」

 そんなこんなで、タクマにも『騎士王』から聞いた話を説明。
 かくかくしかじか、うまうままるまる……そう伝えておく。

「いや、分からんよ。本当にかくかく云々をいうヤツがあるか」

「そうか? じゃあ仕方ない……まっ、いろいろあって生産世界の『星宝級職人』と戦って退けました。それを危険視されて、いつでも俺を殺して良くなりました」

「…………『星宝級職人』って、ここに居ても伝わってくるぐらいの凄い連中だぞ」

「そうなのか? 俺、『超越者』の方はかなり網羅しているつもりだが、そっちの方は全然だったからな」

 やはり絡みが多いからだろう。
 それに加え、かつて『騎士王』から貰った『超越者』リストがある……【情報王】からもその情報を買っていたっけ?

 そうして細かな情報を把握していたのは、俺のためというのもあるが……家族にどのような影響があるかを調べるためでもあった。

 活躍が凄まじく、あの【魔王】もうちの家族には一目置いていた……その意味はともかくとして、それならば『超越者』もまた目を付けていたって何らおかしくない。

 現に『騎士王』は家族の情報を把握しているし、ルリの場合は接触もしている。
 おそらく俺の知らないところで、子供たちも『超越者』と邂逅しているはずだ。

「まあ、それはそれとして。なあ、しばらくの間[ログイン]できなくするような嵌め技は無いか?」

「それ、対策のためか? それとも実際に使うためか?」

「話の流れ的に前者に決まってるだろう」

「……お前の場合、突拍子もなくやりかねんから確認したんだよ。幸か不幸か、その方法は見つかっている」

 だいぶ前にあげたタブレットを操作し、その情報が記された資料を見せてくれる。
 そこには一人の休人に起きた、ある出来事が記されていた。

「原因は不明、だが再[ログイン]までの時間が延びていたと……[GMコール]で確認しても、そこにシステムの不備はいっさい認められなかったと」

「『プログレス』、関係無いのか?」

「どうだろう……まだ無いだろうな。少なくとも、原因不明って言うなら。了承有りで、かつメリット付きなら心当たりも無くは無いけども……」

「…………サラッというなよ。それ、現実が忙しい社会人とか絶対に気になるやつだろ」

 まあ、今回の話題とは関係無いからスルーということで。
 資料についてはコピーを貰い、俺はアイスプルへ帰還するのだった。

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