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DIY、刺客に抗う

生産世界初訪 その21

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 秘匿技術を学んだ俺は、今の状態で再現できるモノを一つずつ試していた。
 ……がどうやら、外部はそれどころでは無くなっていたらしい。

《旦那様、部屋の外に魔材ギルドの総長が居ります。緊急の連絡があると、そう叫んでおります》

「緊急? うーん……まあ、聞くだけなら問題無いか。隔離を解除してくれ」

《畏まりました》

 部屋を封鎖していた装置の効果を切った途端、ドアが勢いよく開かれた。
 そのまま魔材ギルドの総長は、俺の下に近づき──頭を下げる。

「──頼む『生者』、力を貸してくれ!」

「まずは……事情をお聞きするところからですかね」

「ああ、それはそうなんだが……すまん、時間が限られている。簡潔に言うから、詳細はその場で確認してくれ──魔物の大群が、襲撃を仕掛けてきた」

「ふむ……まず現場まで向かいましょうか」

 魔物が現れるのはちょうどいい。
 必要な事態であればあるほど、追い詰められた人々は切り札を使う……約束があるから秘匿技術は使わないが、観察はしておこう。

  ◆   □   ◆   □   ◆

 生産世界は現在進行形で、開拓を行っている世界だ。
 まだ見ぬ素材を求め、人々はより先へ向かおうとする。

 それを阻むのが試練──そして襲撃。
 人々が開拓した領域に現れては、文明の痕跡を破壊しようとする……その辺は生産世界の歴史が関わっているようだ。

 そんな魔物たちを、他でもない休人がたちが刺激してしまったらしい。
 マナー的にはアウトだが、彼らにも事情があるんだとか。

「古代遺跡の調査をしていたようだが、そこで貴重な情報を見つけたようだ。だが、お前たち固有の収納空間を使えず、死なないまま街へ持ち帰る……いつも古代遺跡ってのは、面倒な情報の開示の仕方をするんだ」

「それが思し召しなのでしょう。死んですぐに移動をする、それを楽と捉える祈念者もいるようですし」

「……ああ、そういえば居たな。時間が勿体ない、経験値効率は計算しているだのよく分からんことを言い返されたよ」

 魔物は奪われた古代技術を取り返す、あるいは破壊するため休人を追っている。
 だが休人はその技術を持ち帰るため、必死に逃げ延びていると。

 発信機みたいな機能があるのか、魔物はその技術の情報を持つ限り追いかけてくる。
 ゆえに彼らに取れるのは、一刻も早く逃げ帰り迎撃してもらうことのみ。

「だが、今回はいつもよりも数が多いし、魔物も強い。相当な情報なんだろう……頼む、手伝ってくれ。もちろん、情報はお前にも渡すから!」

「そういうことでしたら……いいでしょう、ご助力しますよ」

 古代の情報、というのは俺としても気になるからな。
 生産世界の秘密はまだ全部暴かれていないし、物のついでである。

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