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DIY、刺客に抗う
生産世界初訪 その20
しおりを挟む情報を対価に、再び自由を勝ち得た。
やはり遺失大陸──あるいは幻想世界の情報は欠けているようで……未知の場所に存在する、未知の知識を彼らは求める。
その対価こそ、俺の行動制限の解除。
……生産世界に招いたのは彼ら、それぐらいのことはできるのだろう。
「さて、さっそく練習をしないと」
場所は再び、魔材ギルドの練習場。
ドローンと結界を複数展開することで、人が構築した監視網への対策。
「そして──『星域』を限定構築」
極めつけはアイスプル世界の法則をほんの少しだけ持ち込める、『星域』の起動。
これにより、今この場所は生産世界であると同時にアイスプルにもなった。
「『SEBAS』、頼む」
《畏まりました。仕掛けられた魔道具へアクセス、情報阻害・認識錯乱・自動修復停止を実行。部屋の隔離・以降のアクセスを封鎖することで無効化します》
俺にはできないこの部屋に仕掛けられた情報収集の魔道具を、すべて一時的に使えない状態にしてもらった。
また、部屋自体も外部から入ってこれないようにして、俺がこれから行うことをバレないようにしておく。
《旦那様、準備が整いました》
「よしよし、それじゃあ試してみよう。ここでやった方が成功率は高いみたいだしな」
生産世界で生まれた技術は、その場所でこそ本来真価を発揮する。
だが、他の世界に逸れは無い……ということで、まずは再現を成功する必要があった、
一度やってしまえば、世界の理という補正が無かろうと何とかなる。
補正はあくまで補正、できるという事実さえ確定すればどの世界でも使えるはずだ。
「まずは、『虚工術』だな……それじゃあ、思いつく限りの方法をリストアップだ」
《畏まりました──視界へ投影します》
俺の指示を受け、『SEBAS』が投影してくれたのは──工匠ギルドの総長が見せてくれた『虚工術』の映像と、それを解析して考案された再現方法。
方法は一つではない、『SEBAS』が一つずつ演算で成功率を表示してくれたモノの中から試すモノを選んでいく。
「魔力具現化と加工だしな……俺でも浮かんだのはこれだ──“千変宝珠”」
浮かび上がる魔力の球体。
俺の意思に従い、武器の形を取るその姿はまさに『虚工術』。
だが、これはあくまでも魔術。
製作者である『騎士王』の複雑な術式は大変高度なモノで、手を加えることはほとんどできない。
外部から加工スキルで干渉しようものならば、あっさりと術式が崩れさってしまう。
生産者ではない彼女が創ったのだから、まあ仕方がない。
「となると、こっちかな……よし、一番のヤツを試してみるぞ!」
それからしばらく、ギルド総長たちから得た技術を学んでいき──中断させられた。
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