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DIY、刺客に抗う

生産世界初訪 その11

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 生産世界版『超越者』、『星宝級職人』。
 その数は『超越者』に比べて少なく、冒険世界にはまだ謎が多いと考えた。

 まあ、俺にできるのは情報を求める者に多少のヒントを出すぐらい。
 レベル999で拡張された鑑定情報は、それなりに使いようがあるからな。

「……見事なまでに、生産職ばかりだな」

 さて、そんな俺は現在、魔材ギルドにて水晶に手を当てて職業系統樹を見つめていた。
 職業【救星者】の“職業系統樹”と違い、こちらは生産世界で就ける職業のみだ。

 その結果、就くことができる職業がそのほとんどが生産職のみであることが判明。
 そうでない職業も、階級に制限が設けられており……上級職は存在しない。

「下級・中級職があるからこそ、それぞれの要素を複合した職業自体には就くことができるみたいだな。【魔工師】やら【装闘士】だの、別の要素が入っている職業も、いちおう載っているし」

 それぞれ、魔法職と戦闘職に就いて条件を満たすことが就職条件となる職業だ。
 生産世界という名称ではあるが、魔法やバトルがまったく無いわけではない。

 だからこそ、魔物の素材を手に入れる魔材ギルドが存在し、そこで依頼を受けて魔物を討伐しようとする者たちが居る。

「けど、戦闘に関する制限がある分、生産の恩恵が強いこの世界は物で補う方に考えが行きやすいんだろうな……『SEBAS』、もし最上位の戦闘職を持っている奴なんかが来たら、どうなるんだ?」

《その場合、それらの職業の能力が一部行使できなくなります。それでも能力値に対する補正は働くため、激しい戦闘は可能です》

 戦闘職はほぼ何も使えなくなるが、魔法職などはある程度使えるようだ。
 ……まあ、そこまでの活躍をする機会などそこまで無いようだが。

《何より、この世界では特典の選出にアイテムの行使が重視されます。ただ職業の力で火力を出すよりも、作ったアイテムを有効的に活用する方法を模索しているようです》

「そうなると、俺のアイテムって……」

《間違いなく、重宝されるかと。なお、素材としてドロップされるのも、そうして次の機会を用意しているからとされています》

「高難易度の素材な分、上手く加工するために技術を増やしていかないといけない……なるほどな、上手く考えられているわけだ」

 生産職を極めることで、システムが技術をもたらしてくれる場合もある。
 職業の補正が無くとも、製作はできるので一度技術を伝えられれば誰でも使用可能だ。

 EHOの生産は、昔のゲームのように簡易でできるわけじゃない。
 多少ファンタジーな要素もあるが、根本的には自分でやらなければならないのだ。

 生産世界は生産世界で、いろいろと考えた仕組みになっているわけだな。
 ……さて、職業の確認もできたし──次の観光に行きますか。

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