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DIY、刺客に抗う
生産世界初訪 その04
しおりを挟む生産世界 初期地点 魔材ギルド
魔物素材、略して魔材。
それらを受け持っている東のギルドに、俺は足を踏み入れた。
東西南北で異なる素材を扱っているため、いろいろと複雑な問題を抱えている……俺もまた、その政略闘争に巻き込まれているというわけだ。
「……すみません」
「はい、ようこそ魔材ギルドへ! 登録はされておられないようですが……登録ですか、それとも依頼でしょうか?」
「これを──」
「はい、少々お待ちください」
これ、と言って渡したのはギルドカード。
しっかりと国交というか世界交が樹立している場所のギルドであれば、ある程度互換性があるのだ。
受付嬢に渡したカードで、俺の情報を読み取ろうとしたのだろう……が、先に開示されたであろう情報を前に、受付嬢の顔が硬直するのが見て取れた。
「…………分かりました、ご依頼ですね。では、お話を聞かせてもらいますので、一度個室へご案内します」
「ありがとうございます、お願いします」
そうして俺は、奥へと通される。
案内されたのは本当に個室、だが受付嬢が部屋に置かれた魔道具を操作すると……更に奥へと繋がる道が現れた。
「どうぞこちらへ、お待ちしておりました」
「……失礼ですが、私ってこちらの世界ではどのような認識なので? えっと、どのような内容でも何もしませんので」
「…………彼の冒険世界、最高の存在である『騎士王』様御用達の職人で、特典であろうとも依頼者の要望通りに加工することができる稀代の御方であると」
「Oh……嘘ではありませんが、本当のことが限りなく拡大解釈されたうえ、尾ひれはひれが付いていますね」
かつて、冒険世界の生産ギルドにおいても特殊な魔法陣で移動を行っている俺。
だからこそ、この通路が物理法則を捻じ曲げて行き先を定めていることが分かった。
「この道はどちらへ?」
「皆様の認識ですと、第十区画に。各ギルドの総本部はそちらにございます。本来であれば、皆様にはそれぞれ一区画ごと試練を受けてもらいますが……今回はこちらが招いておりますので、特例で許可されました」
「なるほど……」
冒険世界では、通れない区画はボスを討伐することで通れる。
だが生産世界において、そういったバトル的な試練だけが突破の方法ではない。
試練内容は当然生産、出されたお題に沿う何かを作ることができれば通行可能となる。
その種類は多く、対応する生産スキルが一つでもあれば不可能では無いらしい。
そんな会話をしつつ、謎の通路を進んでいく俺たち。
そして数分後、俺は魔材ギルドの総本部へ辿り着くのだった。
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