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DIY、刺客に抗う
生産世界初訪 その03
しおりを挟む生産世界 初期地点
ギルド長を通じ、生産世界に対して新たな条件を提示した。
結果、あちらはそれを受け入れ──俺は世界渡航を遂げる。
「──へぇ、こんな感じなんだな」
ある程度整った街並み……ただし、それは各方角ごと。
東西南北、各方角で建物に使われている素材が大きく違っている。
「北が鉱石加工、西が植物加工、東が生物加工だな。そして南だが……分からんな」
ガチガチの建物、木造や蔦でできた建物、骨や革でできた建物はある程度分かる……しかし、南の建物は正直ジャンルが違う。
ごちゃ混ぜ、そう称すのが一番だろうか。
雲が家の形を成している建物があれば、氷でできた施設もある……魔法や錬金術の類であれば、可能なのかもしれない。
「まあ、とにかくだ。一先ずは目的を果たさないといけないな──どうなっている?」
《旦那様を探す者たちが確認されています。事前に隠蔽処理をしていなかった場合、彼らが殺到していたでしょう》
「この街を見るに、一枚岩ってわけでも無さそうだしな。俺は勢力争いに利用されているわけか……少し、腹が立つな」
《旦那様は世界最高峰の技術者、その一端でも知ることができれば彼らが行う争いにおいて優位に立つことができる……そう考えているのでしょう》
特典を加工する技術、それだけでも彼らにとっては希少かもしれない。
単純に硬いのではない、生前の性質に合わせた加工方法が必要とされる。
そのうえで、俺は刻印やら魔法陣やらで強化を行い武具を完成させた。
……それができていない、あるいは俺の水準に届いていないなら、欲してしまう。
だからこそ、俺は姿を隠していた。
相手にそれを見破る技術があることも懸念して、いつもの光学迷彩だけでなく、魔術による隠蔽も重ねて。
俺が来たという情報そのものは、世界から彼らも何らかの手段で把握している。
俺を探すため、各陣営がさまざまな道具を出し始めたのはおそらくそのため。
「俺を呼んだのは……東側、魔物の加工を担当しているところだな。まあ、魔物の加工を実際にするわけだし、呼び出す大義名分はできていたわけだ」
《どうやら担当分野が被っていることで、彼らは揉めているようですね。ドローンがその音源を確保しました》
「だろうな……うん、それでも生産世界のご機嫌取りをしないといけないしな。とりあえず、そこにまずは行ってみよう」
そんなこんなで、最初に向かう場所は東側に位置する区画。
中でも一際目立つ、巨大な魔物を材料とした施設へ俺は向かった。
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