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DIY、シンコウに備える
魔王防衛策 その09
しおりを挟む第二の固有種[エクリエンド]の存在。
しかし、休人たちは『プログレス』の恩恵もあってついに魔族大陸に上陸する。
これまでは船の上という限られ、制された場所での戦いだった。
しかし、強く足を踏み締められる砂浜に降り立った彼らは行動に自由を得る。
「敵は二体、共に精霊の固有種。光と闇の属性特化か……即死の光と変幻自在の闇。どうにかそれを凌がないと勝てないぞ」
休人たちは即死を回避するべく、まず光を司る[ギフチャージ]を倒す予定だった。
しかし、阻むように[エクリエンド]の闇が影から現れ、迎撃を行ってくる。
そのため双方へ同時に攻撃を行うのだが、彼らの組み合わせは最悪そのものだった。
先も語ったように、優先すべき倒す相手をもう片方が庇う。
そして、[ギフチャージ]もまた即死とは異なる光を[エクリエンド]へ送っていた。
結果、無数のバフが乗り、生命力も時間経過でゆっくりと回復している。
与え賜る光を生み出す。
ゆえに、[ギフチャージ]の光は死以外にもさまざまな恩恵を浴びたモノに届ける。
ただし、一度に放てる光は一種類のみ。
効果はある程度持続するが、それでも切り替えている間は休人たちに対して即死の光を放つことができない。
本来ならばそれが隙になるのだろう。
だが、[エクリエンド]の迎撃を超えなければ攻撃が届くことは無い……攻撃を癒されてしまうため、時間が延々と過ぎるのみ。
『──“────”!』
多くの休人たちがここで、各々異なる名を高々に叫んだ。
魔法やスキルではない、『プログレス』における必殺技のような能力の名である。
通常よりも高い出力を発揮したその能力が複数重なった結果、[ギフチャージ]と[エクリエンド]の双方を同時に削っていく。
固定ダメージ、特殊な状態異常、高い火力など……固有種相手でも通用するような能力が『プログレス』により引き出され、多大なダメージを与えていた。
「──『ブレイブソウル』!」
ショウもまた、己の『プログレス』の力を発揮して前に進み出る。
まだ“オーバーブレイブ”は温存しているものの、それ以外の能力は起動中だ。
「──“星剣解放”!」
握り締めた剣が、強い光を放つ。
それを向けるのは[エクリエンド]、無数に展開された闇を払いのけ──輝く剣を核へと届けた。
「くっ……うおぉおおおおお!」
最期の抵抗とばかりに闇が溢れ出す。
だが、ショウは気合いで剣を捩じり込み、[エクリエンド]の核を刺し貫き──消滅させるのだった。
それとほぼ同時、[ギフチャージ]もまた休人たちによって討伐される。
こうして多大な被害をもたらしていた固有種の討伐を、彼らは果たすのだった。
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