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DIY、シンコウに備える
魔王防衛策 その04
しおりを挟む魔族大陸に侵攻しつつたる休人たち。
その防衛策の一つとして揃えたモノ──それこそが固有種(『再』付き)だった。
事情を聴いた後の調査によると、条件を満たしたことで侵攻が決まったらしい。
現実換算で一月ごと、その条件が満たされ魔族大陸に挑むことができるとのこと。
死に戻りのできる、文字通りの命知らずたちが【魔王】討伐を試みる。
……家族も混ざっているので、初回でありながらクリアするかもしれない。
「参加するのはショウだけ……それがせめてもの救いだったな」
マイは従魔が【魔王】と相対した際の反応が分からないから、ルリは単純に忙しいため今回の作戦には参加していなかった。
だが、ショウは元より冒険を求めEHOをプレイしている。
仲間たちと共に、【魔王】を討伐するというのはまさに冒険そのものだろう。
「だからこそ、ショウの仲間たち以外を迎え入れるのは避けたいな……数十人くらい居てくれれば、それで充分だろう」
《旦那様、それでは……》
「ああ、間引きをしようじゃないか。許せ、若人たちよ……君たちの冒険は、ここでお仕舞いだ」
◆ □ ◆ □ ◆
一月に一度行われるようになった、魔族大陸強襲イベント。
ただし、死に戻りを行った休人は連続して参加することはできない仕様となっている。
それでも、参加推奨レベルも出現する魔物の情報もいっさい不明なイベントに、多くの休人が参加することを選んだ。
初回に参加し、まだ誰も得たことの無いアイテムや情報を得る。
未開を、未知を、誰も知らない場所で得られるすべてを欲しているからだ。
「──見えたぞ、アレが魔族大陸だ!」
遠視のスキルを持つ休人が、目的地を水平線の彼方から捕捉した。
より上位のスキル、千里眼などでは結界に阻まれて視ることのできなかった場所。
視認できる限界を明瞭にする、そんな遠視スキルだからこそ視ることができた。
そして、その休人は目にする……とんでもない光景を。
「…………はっ? お、おい、ふざけんなよマジで!」
「おい、どうしたんだよ」
「全員、すぐに防御を! ──固有種がこっちを狙ってやがる!」
言い終えるとほぼ同時、他の休人でも見えるほどに水平線の先で光が輝く。
遠視持ちの休人だけが、その光を放つ存在について確かな情報を持っている。
だがそれでも、光に危険性が伴うことは他の休人でもすぐに理解できた。
先ほどの叫びもあり、防御の準備を整えていく休人たち──そして、光が届く。
「な、なあ、何が見えたんだ?」
「『白空填賜[ギフチャージ](再)』……光の玉みたいな固有種だ」
彼の情報はすぐに伝播する。
しかし、光の速さで届く攻撃はそれよりも速く、第二の光線を放つのだった。
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