虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、シンコウに備える

第一回コラボイベントその後 その06

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 イセ村コラボもまた、コラボの舞台となった村の再現を行えるような品々を最後の景品として出してきた。

 フルーツを埋めただけで育てられる土地、さまざまなシステムが搭載された施設……の設計図(の核)など、時間を掛けて村作りをする必要があるだろう。

「さて、お次は…………先にザ・ロードのコラボにしておこうか」

 残されていたのは試乗ゲームのザ・ロードと、カードゲームのカードバトラー。
 ……そして後者には、EHOにおいて実在した存在のカードが使われていた。

 一通り確認しなかったのも、実はそれが一番の理由。
 何だろう、見た瞬間に強制的に好感させるぐらいのことをやってきそうなんだ。

「……うん、意識を切り替えよう。何々、これは……シミュレーター?」

 景品名は『ライドシミュレーター』。
 読んで字のまま、試乗体験ということになるんだろうが……説明欄を確認する。

「『セットした乗り物を解析し、正常に機能するかを確認可能。また、仮想空間を展開して内部での試乗も行える』……これ、もしかしなくてもかなりの便利グッズだろう?」

《はい。不備が無いかの確認だけでなく、いくつかの限界環境下での試乗時を想定したシミュレーションも可能なようです。こちらの世界では、かなり重要でしょう》

「場所そのものがアレだったり、戦闘中に乗りこなすとかだとな……しかもこれ、仮想空間の方は生物も対応しているみたいだし、いろいろと実験もできそうだよな」

 戦闘中に乗り物に乗る、[PvP]を用いた試合ならまだしも、基本的にEHOはどこでだろうと闘うことができる。

 タイミングによっては、移動中に襲われることだってあるだろう。
 そんなとき、普通の乗り方しかできないがゆえにできなくなってしまうこともある。

 ──少なくとも俺は、倭島で原付を乗り回しながら行う戦闘を経験していた。

 そういったこともまた、今回のシミュレーターがあれば試せるのだろう。
 想定する限界環境だけでなく、組み込めば魔物を出現させることもできそうだし。

「とりあえずこれは交換だな……一度バラして仕組みを知りたいが、無理なんだよな」

《運営製のアイテムは、『プログレス』同様ブラックボックスですので》

「使えなくなるのが一番困る、か。向こうの想定以上の改造なんかはできない以上、できる範疇で工夫するしかないよな」

 まったく手を加えられないわけじゃないので、いろいろと試してみよう。
 …………災凶種ディザスターシリーズの読み取りとか、できるのだろうか?

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