16 / 2,810
DIY、滅んだ世界に立つ
椅子作り
しおりを挟む「そういえば、結局大切な説明が記されてなかったな……材料って、どこまでが材料?」
例えば、俺が椅子を作りたいとする。
椅子には木材を使う方法があるが……この場合の木材は、加工済みかどうかという問題に悩まされる。
ここで自然における木、そのものが出現するか、加工済みの木材が出るか……確かめないと分からないな。
「“加工済みの木材”(ポンッ)……うぉ! 本当に出たな。これも材料で良いんだ」
良かった良かった。
木材を作るなんて、:DIY:の領域に含まれていないからな。
あ、だから出現したのかも。
出てきた木材も、俺が頭の中でイメージした通りの大きさだ。
よし、これなら考えてたほとんどの物が作れるようになるな。
まず手始めに……シンプルにできる、椅子でも作ってみるか。
「──よっしゃあ、:DIY:を始めるか!」
なんとなくテンションを上げるため、俺はそう叫んだ。
すると──
《:DIY:が起動されました
使用者『ツクル』の指定能力値──概念崩壊……成功しました
アイテムの作成成功後、または条件無視によって解除されます》
「こ、これは! 体から力が溢れてくる!!」
もう、怪しい言葉が頭の中に流れ込んで来たから分かる。
この現象は:DIY:を発動したことによって、俺のステータスのHPとSP以外の数値が無限になったのだろう。
試しに(鑑定)をアイテムに使用しても、手袋を鑑定した時に起きた頭痛に苛まれることはない。
うん、本当みたいだな。
「まっ、そろそろ始めるか」
必要な道具と材料を生み出し、本日のDIYが始まる。
◆ □ ◆ □ ◆
材料はこちら──
・天板用木材(57mm×27mm)1本
・脚用木材(500mm)……4本
・貫用木材(200mm)……6本
・ビス(32mm)……6本
・ビス(51mm)……12本
工具や道具は……そのときそのときに言えばいいか。
それじゃあ、作り方だぞ。
・木材の大きさをカット……要らないな。
本来は木材を脚用と貫用にカットするぞ。
・脚に貫を取り付ける為の下穴の用意。
脚4本を纏めて、端から100mmと135mmの間の所に印を付け、指矩でそこに線を引く。
真ん中あたりにビス用の印を付ける。
そこにドリルビットか皿錐ビットを取り付けた電動ドライバーを使い、下穴を開ける。
そうしたら半分を右、もう半分を左に転がし、脚の上部になる端に貫用の木材を合わせて、再び横に4本纏めて線引く。
再び同じ方法で下穴を開けるぞ。
・貫にも穴を用意。
端から82.5mmの所に線を引く。
その線に別の貫用の木材を重ね、またさらに線を引く。
そして、真ん中に印を付け下穴を開ける。
・脚に貫を取り付ける。
下穴を開けた貫を、脚の上部に入れてコの字を2つ作る(接着剤で固定してからビス(51mm)留めするとやりやすいな)。
作った2つのコの字を繋げるよう、脚の下部にも貫を使いビス(51mm)で留める。
その脚と脚の間に貫を入れてからビス(51mm)で留めて、H型になるようにする。
脚の上部の真ん中にも貫を入れ、『片方』だけビス(51mm)で留める。
──ここで一度平らな場所に置いて、ぐらつきが無いかを確認する。
あったならば、真ん中の貫を左右にずらして調整しておくことが大切だ。
無かったなら印を付け、ビス(51mm)で留めておく。
・天板をつくる……これも、省略だな。
本当は1×4木材を、27mmで三等分するぞ。
ビスを留める所に六ヶ所印を付ける(本来はその三等分した木材の上部と下部の端ら辺の中央に印を付けるぞ。俺のは最初から三色になっていただからそのままビスの印を付けるだけだった)。
そして印に電動ドライバーで下穴を開け、ビス(32mm)留めする。
──完成だ!
◆ □ ◆ □ ◆
「……よし、ちゃんと作れたな。座っても壊れないし」
イメージをすると、その大きさで木材が出現したからな。
一々切る必要が無くて楽だったよ。
使った素材や工具の余りは、完成と同時に本当に消滅した……便利だな。
「……もう一個ぐらい作ったら、今日はログアウトするかな?」
時計を開いて、現実の時刻を確認してそう決める。
しばらくしてから、俺はログアウトを押した──
21
お気に入りに追加
646
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強
こはるんるん
ファンタジー
「アベル、貴様のような軟弱者は、我が栄光の騎士団には不要。追放処分とする!」
騎士団長バランに呼び出された僕――アベルはクビを宣言された。
この世界では8歳になると、女神から特別な能力であるスキルを与えられる。
ボクのスキルは【バフ・マスター】という、他人のステータスを数%アップする力だった。
これを授かった時、外れスキルだと、みんなからバカにされた。
だけど、スキルは使い続けることで、スキルLvが上昇し、強力になっていく。
僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。
「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」
「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」
そうして追放された僕であったが――
自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。
その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。
一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。
「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」
これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる