7 / 2,723
DIY、滅んだ世界に立つ
テコ
しおりを挟む「DIYって何なんだよ! そもそも異質な物じゃないだろうが! 細やかな休日に自分の趣味を追及するための物だろう! 何故に万物創生の力になってるんだよ! 神様のDIYだってそんなに神々しいものじゃないだろうが!!」
自分でも意味が分からなくなってきたが、今俺の前に説明文が出ているDIYが、俺の考えていたDIYと違うということだけは良く分かっている。
「材料を選ぶところからDIYってのは始まる物だろう! 自分でどんな材料が良いか、見て触れて決めていくんだろう! なんで『言ってね♪』とか書いてあるんだよ! 値段とかを妥協したり奮発したりしていくことが作品へのスパイスになるのに、それじゃあ面白くもなんともないよ!!」
「必要な道具だって? 素人が細かい材料まで分かる訳無いだろうが!! あぁ!? そりゃああれか? 昔ネットで見て欲しかったネプ□スブランドも言ったら出てくんのかよ!? (ポンッ)……あっ、出た……じゃねぇんだよ!! これ、いったいいくらすると思ってんだよ!!」
俺の目の前には、かつてネットで欲しいと思っていた黒い工具箱が現れていた。
DIYの派生から、少し精密機械に手を出して見ようと思った時に知ったのだが、お値段的に瑠璃に叱られそうだったので諦めたその代物が……その場に──俺の前に、存在していたのだ。
「……じ、じゃああれか? に、22世紀の猫型ロボットが持っていた、あの便利な手袋も(ポンッ)ってやっぱりかい! もう、何なんだよこの:DIY:って! どうせならそういったものも、一から作るような仕組みにしてくれよ!!」
俺はツッコみ続け、そう叫んだ!!
……すると、神は応えてくれたのだ!
===============================
:DIY:に◆◆◆◆の規定値を超える効果を確認──スキルの査定を開始します
===============================
目の前に表示されたそんな説明文。
不穏な単語もいくつか見受けられるが、わざわざGMコールをせずともこんな簡単にプレイヤーの要望に対応してくれるとはな。
===============================
査定が完了しました
規定値以下へのダウングレードを始めます
道具の定義を再設定──地球歴A.D.21内で使われた道具のみに、出現可能な道具を変更しました
加えて、材料の定義を再設定──失敗しました(原因の情報は秘匿されます)
リソースに余剰が発生しました
『ツクル』の願望を読み込み……最適なスキルを一つ付与します
スキル(鑑定)が付与されました
===============================
……あれ、これは?
どうやら運営は、俺のツッコミによって道具に制限を掛けてくれたらしい。
フゥ、これでドラ○もんトークで道具の名前が出てきても困ることは無くなるな。
だけど、俺の掌に置かれた1双の手袋。
それがこの場から消えることは無かった。
「たしか、(鑑定)のスキルが追加されたんだよな……。“鑑てイッ!?」
やっとそれっぽい──ゲームらしいスキルが入手できた。
女神様には:DIY:のためには切り捨てても良いと言ったが、俺もゲーマーだ。
少しぐらい憧れていたぞ。
なので手袋の詳細を調べるために、(鑑定)スキルを発動させようとした。
──だけど、それはどうやら不可能だったようだな。
俺は鑑定という四文字を何とか口にした途端、意識を失ってしまった。
20
お気に入りに追加
643
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
(完結)私は家政婦だったのですか?(全5話)
青空一夏
恋愛
夫の母親を5年介護していた私に子供はいない。お義母様が亡くなってすぐに夫に告げられた言葉は「わたしには6歳になる子供がいるんだよ。だから離婚してくれ」だった。
ありがちなテーマをさくっと書きたくて、短いお話しにしてみました。
さくっと因果応報物語です。ショートショートの全5話。1話ごとの字数には偏りがあります。3話目が多分1番長いかも。
青空異世界のゆるふわ設定ご都合主義です。現代的表現や現代的感覚、現代的機器など出てくる場合あります。貴族がいるヨーロッパ風の社会ですが、作者独自の世界です。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
Ancient Unfair Online ~万能武器ブーメラン使いの冒険記~
草乃葉オウル
ファンタジー
『Ancient Unfair Online(エンシェント アンフェア オンライン)』。
それは「不平等」をウリにした最新VRMMORPG。
多くの独自スキルやアイテムにイベントなどなど、様々な不確定要素が織りなすある意味自由な世界。
そんな風変わりな世界に大好きなブーメランを最強武器とするために飛び込む、さらに風変わりな者がいた!
レベルを上げ、スキルを習得、装備を強化。
そして、お気に入りの武器と独自の戦闘スタイルで強大なボスをも撃破する。
そんなユニークなプレイヤーの気ままな冒険記。
※小説家になろう様にも投稿しています。
公爵令嬢はアホ係から卒業する
依智川ゆかり
ファンタジー
『エルメリア・バーンフラウト! お前との婚約を破棄すると、ここに宣言する!!」
婚約相手だったアルフォード王子からそんな宣言を受けたエルメリア。
そんな王子は、数日後バーンフラウト家にて、土下座を披露する事になる。
いや、婚約破棄自体はむしろ願ったり叶ったりだったんですが、あなた本当に分かってます?
何故、私があなたと婚約する事になったのか。そして、何故公爵令嬢である私が『アホ係』と呼ばれるようになったのか。
エルメリアはアルフォード王子……いや、アホ王子に話し始めた。
彼女が『アホ係』となった経緯を、嘘偽りなく。
*『小説家になろう』でも公開しています。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる