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DIY、シンコウに備える
第一回コラボイベント後篇 その16
しおりを挟むアイラブコラボの最終ステージに、現在俺は他の休人たちと共に挑戦している。
ある意味、俺は彼らを雇っているようなもの、アイテムを餌に釣ったわけだな。
彼らとしても、必要最低限の会話で淡々とイベントを周回するだけでいい。
アイテムを用いた全面的なバックアップにより、かなり高速で回せている。
「設備復旧、防御装置も準備完了。担当していた人は起動を確認後、自由行動です」
『……』
いちいち返事は求めていない。
指示をするだけして、あとは彼らのやりたいようにやらせる。
どんな結果であれ、俺のアイテムで成績を出したなら俺の評価にも繋がるのだから。
むしろ自由にやらせ、偶発的だろうがなんだろうが高ポイントを得てもらいたい。
『……』
「サイリウム、ありがとうございます。すぐに加工しますので、少しお待ちください」
採取班が集めて来てくれたサイリウムを、運搬役から受け取りすぐさま加工。
中から塗料を抽出し、魔力を注いで効能を活性化──これが戦闘における切り札だ。
「完成です、ではまたお願いします」
『……』
塗料を塗ることで、特殊な防壁を展開しているボスの防御性能を無視できる。
まあ、塗った分だけサイリウムの成分が光るので目立ってしまうのだが。
威力が上がる分、ヘイト値も上がるという厄介な塗料。
だがしかし、当初の目的であるアイドルたちへのヘイト値を奪うことはできていた。
最終的に、アイドルたちの曲が終わると自動的に戦闘も終了する。
なので防衛、または討伐成功のどちらであろうとこのステージはクリア扱いなのだ。
「まあ、報酬が違う分、両方をやっておきたいのが通ですかね」
《また、防衛/討伐後にランダムでアイドルからのメッセージもありますので、すべての要素を埋めるのは相当なものかと》
「それでも、ファンの方々はやっていますからね……よし、続きといきますか!」
当然、倒してしまった方がポイントも高いし時短にもなる。
なので一先ず、[掲示板]の募集には討伐目的ということで人を集めていた。
ランダムなのでアイドルの人数以上の回数回る予定で、それが終わったら防衛として募集した者たちと合流する予定だ。
「そっちは時間が固定な分、スケジュールを組むのは簡単なんですけどね……あっ、どうやら終わったようですね」
《イベントシーン開始──アタリです》
まだ見ていなかったアイドルからの感謝の言葉を聞いた後、俺たちは再び周回用の扉を潜り戦闘を開始──その日一日を掛け、無事両方をコンプリートするのだった。
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