虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、シンコウに備える

第一回コラボイベント後篇 その11

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 一先ず、『カードバトラー』コラボステージは中断、情報収集は[掲示板]で行う。
 交換した景品、家具に成り得るアイテムと共にイセ村コラボの世界へと向かった。

「……うおっ、物凄い天気だな」

《天候状況は豪雨。この天候限定の魚が出現するでしょう》

「あー、そういえば悪天候限定ってのがあった気がするな……」

 家の中で目を開けた俺だが、激しく鳴り響く轟雷に驚いた。
 だが、このタイミングでしか得られないモノもある……どうしたものか。

 ちなみにだが、豪雨だからこそ元気に外へ出る住民などもいる。
 まあ、大半の住民は家に居るし、こんな日に行ってもあまり歓迎はされないけども。

「えっと、豪雨は今日一日続くのか?」

《……はい、そのようです》

「うーん、思いっきり濡れるからなー。とりあえず、最初の予定通り準備した家具を並べていこうか」

 今回、EHOとコラボを行っている五つのゲームタイトル。
 他四つで得てきたアイテム、それらを一つの場所に配置していく。

「他の部屋と比べて、何というか……オタク感が全開な部屋になってきているな」

 美少女キャラのポスターやフィギュア、また他にも無数のゲームキャラが並んでいた。
 部屋中に流れている音楽もまた、アイドルアニメ『アイドル・ラブ・ユー』の新曲だ。

 また、元よりイセ村内でアイテムとして存在していた現代風の家具。
 テレビやパソコン、エアコンなどある意味必需品が揃えられていた。

「ある意味、ここで暮らしたくは…………いや、無いな。逆にここまで特化していると、あまりにも堕落しそうだし」

 加えて、この世界には魔法もある。
 そこまで優遇されていると、本当に動く必要が無くなり真面目に頑張るための気力が失われてしまうだろう。

「食料とかも、そういうアイテムを出せばいいわけだし…………アレ、そういえばアイテムを分離したらどうなるんだ?」

 ということで、さっそく試してみる。
 フルーツ盛りというアイテムを取り出し、それぞれ分離して仕舞っていく。

「……『フルーツ盛り(1/8)』、そういう表記になるのか。で、またそれを全部集めてから仕舞うと……うん、元に戻った」

 本来のゲームではできなかった、アイテムの分離が可能だったようだ。
 それはつまり、そのことを踏まえたうえでハウジングコンテストが行われるわけで。

「『SEBAS』、その辺についてどういう考察がされているんだ?」

《新たな家具の組み合わせを、どうやら考えているようですね》

「まあ、イセ村のアイテムであったらいいなとか思うのはあったからな……そういうのを作るのも一興か」

 時間はたっぷりと言わずとも、まだそれなりにある。
 なのでとりあえず、自分なりのアイデアを試してみるとしよう。

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