虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、シンコウに備える

第一回コラボイベント後篇 その02

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 まだ継続して行うべき、そう考えた三つのタイトルから選んだのは『ザ・ロード』。
 他二つはやり込み要素が非常に多く、最終日まで時間が必要だったからだ。

 今回は前回と違い、現実に存在する乗り物で試乗を行う通常版。
 プレイすれば、乗った乗り物のフィギュアやプラモデルを手に入れられる。

「うん、スムーズな動きだ……これが、全自動運転ってヤツなんだな」

 すでに実用化されている自動運転技術。
 人は指示をするだけで運転可能だが、今の俺は少し違う──乗り物の方では無く、俺自身を操作することで自動化を図っていた。

「さすがは『SEBAS』だな。普通なら困難な駐車も、ピッタリやってくれた」

《お褒めいただき光栄です》

 バックだろうと縦列駐車だろうと、いっさい迷いなく動かされる俺の体。
 ブレーキを一度踏めば、もうそこが指定された駐車ポイントだ。

 ただ走行距離を稼ぐだけでなく、現実の乗り物にはこういうのもあるらしい。
 ……まあ、ノンストップで駆け抜けることはなかなか無いもんな。

 他にも入り組んだ道や悪路を走行したり、逆にひたすら真っすぐ走ったりもできる。
 なかなかにストレス解消になりそうなゲーム、それが『ザ・ロード』だった。

「ふむ……これで普通車は終わったか。あとは大型、それに特別な乗り物ばかりだ。これらはもう、俺にはどうにもできん」

 SF世界のように空を飛ぶ車は……無いとは言わないけども、少なくとも一般的には普及していないので、俺もそんな車に乗った経験が無い。

 普通四輪だって、昔取っただけで全然効果なんて無いし……電車通勤だしな。
 そうそう、電車や新幹線の乗車体験もあるぞ……もちろん、自分では不可能だが。

 そういった乗り物のマニアが、[掲示板]に乗り方を出してくれてはいる。
 だが、それを見たところでプラモデルを得るのが限界だろうな。

 操作方法は分かるだろうが、そういった公共機関の乗り物は他の技術も必要になる。
 アナウンスやらハンドサインやら、それらも込みで評価されるんだとか。

「『SEBAS』は対応できるのか?」

《はい、問題ありません。ただ、旦那様にアナウンスの方はお任せしてしまうことになりますが……》

「まあ、それぐらいはな。音声データでもどうにかなりそうな気はしないでもないが、出番を用意してくれたんならやってみるよ」

 そうしてさまざまな乗り物に試乗し、体験しながらアイテムを集めていく。
 やがて残されたのは一つ……通常版でも存在しないはずの、特別な乗り物だけになる。

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