虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、シンコウに備える

第一回コラボイベント前篇 その01

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 イベント世界 ???

 いつものようにイベント用のエリアへ転送されたわけだが……その光景に思わず、俺は目を奪われた。

「ゲームとのコラボで、複数種類あっても困らないもの…………いやまあ、分からなくはないけども」

 俺たち休人を包囲する、無数の絵。
 見覚えのある者も多いだろう、それは今なお続く大手のゲーム会社が製作した──ソーシャルゲームのタイトル画面なのだから。

「『SEBAS』、イベント説明は把握してくれたか?」

《はい。網膜に投影します》

 こちらに来た直後、出現した[ヘルプ]の説明欄を『SEBAS』が読んでいる。
 それを纏め、分かりやすくしてくれた情報のみを俺は即座に確認した。

 今回のイベントは、さまざまなソシャゲとコラボしたもの。
 タイトル画面に触れると、各ゲームに合わせたミニゲームを行うらしい。

 感覚的には、だいぶ前に行った縁日系のイベントと同じ感じだ。
 単純なクリアでアイテムが、また条件を満たしたクリアで特殊な物が貰える。

 全部を一回ずつ回るだけでも、EHOのプレイヤーとして役立つモノは獲得可能。
 だがコラボ先の作品が好きならば、更に周回を行えば良い……というわけだな。

「全部で五作品か……これを全部、条件達成まで含めてやるとなると苦労するだろうな」

《休人からの要望に応え、ゲームタイトルとのコラボを選んだ結果と思われます。マザーAIも、さぞ苦労したことでしょう》

「……まあ、みんな喜んだり絶望したりと楽しんでいるみたいでいいじゃないか」

 有名なタイトル五つだからこそ、そこから外れたゲームをプレイしている者が多少挫折しているが……うん、諦めなさい。

 なお、俺も五つの内何個かはやっていた時期もある……仕事に追われるようになって、断念することになったけども。

 まあ、とにかくそんなゲームの中からどれか一つを選んで俺も楽しもうじゃないか。
 休人たちが次々とタイトル画面に触れていく中、俺もあるタイトルに近づく。

「『モンスター&パズル』、略してモンパズだ。ゲームとしては、画面中でパズルをやって相手にダメージを与えるんだが……EHOだとどういう風になっているんだ?」

《方法は二つ、実際のゲーム同様に端末を介してパズルを行うもの。そして、EHO限定の特別な戦闘方法がございます》

「…………ちょっと気になってきたな。それじゃあ、見て確かめるとしますか!」

 ゲームタイトルに触れると、俺の体は粒子と化してその中へ呑み込まれていく。
 最悪、普通にパズルをすればいいし……特別な方法とやらを、まずはやってみようか。

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