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DIY、対家族案を練る
妖刀戦争 その20
しおりを挟む都牟刈城
迷宮での裏取引を終え、無事……かはともかくとして帰還した俺。
すぐに登城し、今回の調査の成果を依頼主二人へ報告した。
「──ということでして、最奥に在った迷宮核である妖刀は『陰陽師』の式神である九拿が回収。それ以外の妖刀は、私の方で回収させていただきました」
「「…………」」
「意思を持った妖刀が、己自身を鍛え上げるためにすべてを利用しての騒動。それが迷宮発生の原因でした……『陰陽師』の目的は分かりませんが、九拿という少女曰く自らの力に耐える武器を探していました」
神子である九拿に耐える武器は、正直無いに等しいのだが……今回の妖刀は、いろいろな要因からそれが可能だったわけだ。
だがただ丈夫な武器を求めるだけならば、もっと別の手段もあっただろう。
特典だって、再構築が行われるという点ではある意味不壊だったわけだし。
「お二人がお考えの通り、『陰陽師』もただ便利な武器を探していたわけではないことは間違いありません。それが迷宮を構築するためなのか、異なる儀式のためか……いずれにせよ、警戒は必要ですね」
九拿に耐える妖刀というものは、それだけでさまざまな需要がある。
武器としての性能、妖刀としての力、そして当然迷宮核としての機能。
──そして『陰陽師』であれば、妖刀を式神にすることだってできるだろう。
ただ迷宮核として使うより、最後の選択肢が一番厄介である。
二人もそういう厄介なことがあると、確信しているわけだな。
「調査ご苦労だった……『陰陽師』の干渉は非常に癪だが、これだけの妖刀を得ることができた。たしかに迷宮が無ければ十全に使えないようだが、それは……なぁ?」
「うむ、某も協力しよう。やりようはまだ分からぬが、ある程度力を取り戻すぐらいはできるだろう。これらの妖刀、調べさせてもらうがよろしいか?」
「ええ、そのつもりでこちらへ持ち込んだ物ですので。可能であれば、『(再)』という表記が失われることを期待しております」
「任せよ。某にできる最善を尽くし、必ずやその期待に応えてみせよう」
俺としても、『(再)』という文字が無くなった方が都合がいいからな。
さすがに復活させたユニーク種の表記は無理だろうが、武器などならば可能だろう。
それが唯一の品として、世界に認められれば間違いなく。
一流の妖刀鍛冶師である『辻斬』には、それを可能とする技量があった。
「では、私はこれにて失礼を……少々、やることができましたので」
「ほお、それは何なのだ?」
「秘密です。ですが、面白いことかと」
とりあえず、『陰陽師』が何をしていようと対応できるようになっておかねば。
物ノ怪たちにもそれとなく注意を勧告したりと……うん、忙しいな。
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