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DIY、対家族案を練る
妖刀戦争 その18
しおりを挟むようやく迷宮核である妖刀を解析し終え、迷宮そのものの掌握が完了した。
そして、迷宮が造られた目的に関しても発覚──妖刀の成長を狙っていたようだ。
「一定本数の業禍物、あるいはそれ以上の数の妖刀や名刀を喰らうことで妖刀としての格が高まる……『(再)』シリーズを用意したのは、誘き寄せるのと新たな妖刀を持って来させて糧にするためだと」
たしか、過去に似たようなことをするような創作物があったはず。
仮説を実現するため、クローンまで用意して殺しまくろうとしたという話。
その妖刀版が今回の出来事だ。
自らの強化のため、あらゆるモノを贄として使おうとしていた……それが事の顛末ということになる。
「まあ、実際にそんな進化があるかどうかは不明だけども。でも、神剣ならぬ神刀は存在する世界だしな。できなくは無かったわけだな……俺が居らずとも、そのまま成立していたかどうかは別だけども」
実際、今回だってそれを阻むように九拿が派遣されていたわけだし。
俺は彼女を抑えたが、迷宮を破壊してでも目標を達していた可能性がある。
《──解析完了しました。迷宮の情報をアイスプルへ転送しました》
「そうか……とりあえず、妖刀はこの脇差があるから良いとしよう。で、こっちの妖刀はどうしようか」
《九拿、そして『陰陽師』や【刀王】たちへ渡せばよろしいでしょう》
「一本しかないけどな……となると、俺が決めないといけないか」
幸いにも、迷宮核の妖刀はともかくお土産にできそうな物は大量にある。
それらを持って帰れば、彼らも満足するに違いない。
「問題は九拿の目的の品だけか……こればかりは、待って確認しないとな」
迷宮の管理者権限を利用して、先ほどまで居た部屋の様子を把握する。
九拿の相手をしている男は、今なお妖刀を振るい目的を果たそうとしていた。
権限を掌握はしたものの、あえていっさい手を加えていなかったからこそだ。
男は刷り込まれた命令を自らの意志だと思い込み、必死に戦っている。
「けど、そろそろ限界だよな……主に九拿のストレスが」
溜まりに溜まったその堪えが、耐えられなくなったようで。
握り締めていた刀が壊れそうなレベルで、力強く持っている。
そして、そのまま膨大な量のエネルギーを供給し、刀身から漏れ出させていた。
罅が入る中、それを振るうと──部屋が一気に崩壊する。
「うごぉっ!?」
場所的に、現在位置と九拿の居る部屋はどうやら繋がっていたらしい。
──揺れが収まったとき、直通の道が開通していた。
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