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DIY、対家族案を練る
妖刀戦争 その17
しおりを挟む迷宮核そのものな妖刀をハッキングし、秘めた情報を狙う俺。
刺された脇差型の妖刀を握り締め、あともう少しというところまで解析が進んでいた。
「ここで追加だ──『星域』“精辰星意”」
展開したのはこの場所をアイスプル世界とする、俺謹製の神代魔道具。
これによって、アイスプル世界でしか使えない“精辰星意”の真価を発揮できる。
相手の弱体化、それはステータスにマイナスの補正を掛けることで効果をもたらす。
その中には、抵抗力やら思考速度なども含まれているわけで……。
《プロテクトの解除速度が向上──99%まで達しました》
「1%は残っているのか……これ以上は、もうどうしようも無いな」
いろいろと手を尽くしたが、搦め手でやれることは全部やり尽くした。
ここからは真面目にやる……流れなんだろうけど、そういうのは性に合わんな。
「だから──『魔王の取腕:【刀王】』」
かつて【魔王】から得た細胞を培養し、装備品とした『魔王の取腕』。
その効果は、摂取した対象の職業能力や権能を模倣して再現するというもの。
そして、邂逅時に回収していた細胞から、【刀王】の権能を拝借。
その効果はあらゆる刀への適性、そして装備時に反映される補正の極大化。
その効果が妖刀にも通じる。
結果的に、妖刀の持つ性能もまた強化されるので、最後の1%を奪い取るための後押しとなり──
《──100%、解析が完了しました》
「よし、じゃあ…………っとそうだ、現状は維持。先に必要なデータを全部写し取っておいてくれ」
《畏まりました》
「俺にはリストを見せてくれ。本来、このまま順調に行っていれば何をしようとしていたのか、その答え合わせがしたい」
《リストを確認……発見しました。旦那様の網膜に投影します。また、妖刀による迷宮の管理権限の委譲を行います──【迷宮主】の付与を確認、『妖刀[無銘](仮)』を新たな管理者と設定しました》
視界に投影されたこの迷宮の詳細。
同時に、『SEBAS』の計らいによって握り締めていた脇差がこの迷宮の管理者として設定されたようだ。
間接的に権限を有する装備を持つことで、俺も擬似的に権限を得たらしい。
まあ、元からその上位互換【星救者】に就いているので、繋がりがあれば通せた。
「ふむふむ、妖刀の目的は……っと。この辺は予想通り。で、その方法は──人の魂、そして妖刀を喰らうことで成長か。うわー、いろいろとやらかそうとしてたんだな」
ある意味、【刀王】の予想は当たっていたわけだ……彼の持つ妖刀を持ち込んでいたなら、いろんな意味でヤバかっただろう。
特に、俺が渡した[屍装]と[妖塞]。
実はアレ、妖刀が求めていたすべてを有していたといっても過言じゃないからな。
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