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DIY、対家族案を練る

妖刀戦争 その13

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 ついに『銘も無き墓碑』の最終層、五層。
 屋敷染みたフィールドを、星剣[虚膨]を使い九拿と共にショートカットして移動中。

 最後の層ということもあり、現れる鎧武者たちも豪華な妖刀を握り締めていた。
 大業物、そして業禍物……倭島における最高と最凶の妖刀たちのオンパレードだ。

「大量……嬉しい」

「それは良かった。では、また行きますよ」

 どうやら、[虚膨]での移動を楽しんでもらえているようで、九拿は俺が星剣を突き刺して行う移動法についてきてくれている。

 今までの戦闘を見るに、俺の変則的な軌道での移動ができないからだろう。
 自分に無い物を求め、学び、活かそうとする……それが九拿という少女だ。

 だが、それと同時に『陰陽師』の式神である以上、ある程度の制限がある。
 目的遂行のため、上の判断次第で彼女の意思に反する行動を取るはずだ。

「それにしても、どれもこれも『(再)』が付く妖刀ばかりですね。本物などは、ここには無いのでしょうか?」

「分からない。けど、主の言った物、まだここにある」

「『陰陽師』さんが?」

「凄い妖刀、わたしに使わせたい……わたしも気になるから、探している」

 凄い妖刀、まあ言ったままの代物だろう。
 問題は、すでに限りなく本物に近いレプリカといえど、大業物や業禍物を手に入れてなおそれを言っていること。

 大業物の一つ『名刀[蒼海](再)』を振り回しているのだが、耐久度的には問題ないものの、それは九拿自身が力を抑えているからできているようだ。

 つまり、凄い妖刀と称されている目的の品には、九拿の全力に耐えることすらできるナニカがあるということになる。

 星剣と同格の品であれば、あるいは……と思えるのだが。
 そんな妖刀があるのであれば、間違いなく【刀王】たちも伝えてくるはずだ。

 あるいは、知っていても言う必要が無いと思われるようなもの──伝承や言い伝え、そういった不確かな情報なのかもしれない。

「さて、そろそろでしょうか」

「……強い?」

「そうですね……私よりは、間違いなく」

「…………」

 俺が何度も死んでいることは、九拿もとうに知っている。
 なのであらゆる生命が対象じゃないか、という冷たい視線が向けられていた。

「──冗談、というほどでもありませんけどね。実際、最奥の部屋からはこれまで以上の禍々しさを感じます。おそらく、お求めの品はそちらにあると思いますよ」

「……奪い合う?」

「それもいいかもしれませんが、まずは部屋に入ってからにしましょう。どちらかを出し抜き、もう一方が形振り構わずここを破壊してしまえば、何か悪影響が起きてしまうかもしれません」

「……分かった」

 それができることは、お互いに把握しているからな。
 ──そうして、襖で閉ざされていた最奥の部屋へ向かうのだった。

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