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DIY、対家族案を練る
妖刀戦争 その11
しおりを挟む──『妖刀[仇花](再)』。
少々禍々しい名前の妖刀こそ、先ほど四層で倒した鎧武者からドロップした物だ。
妖刀自体は今までと同じなのだが、フィールドの雰囲気が屋敷風に変わっている。
一度目を譲ってもらったので、以降は九拿に任せて『SEBAS』と連絡中。
ドロップした妖刀が、どういった物なのか確信に迫っていく。
「……今までの物と違いは無かったか?」
《簡易スキャンのみとしておりましたが、それらとの差異はございません。妖刀を迷宮が生み出した品、それに間違いはありません》
「含みがある言い方だな。何が問題だ?」
《詳細な解析を行ったところ、妖刀の核となる怨念などがございませんでした。あくまでも、迷宮の力によって妖刀と成り得る刀……そう捉えていただいて構いません》
つまり、俺が『プログレス』を使っているのと同じような仕組みだろうか。
存在した妖刀のデータを、別の刀に移し込むことで擬似的に再現している。
ただし迷宮から送信され続けない限り、いつかは使えなくなる紛い物。
…………ならばいったい、その存在に何の意味があるのだろうか。
「……妖刀が条件で解放される職業、戦闘職にもあるのか?」
《ございます、所持数、使用数などが条件となります。中には業禍物を指定して獲得が条件となる場合もございます》
「そういうのを満たすため、という可能性もあるな……けど、【迷宮主】なんだから職業じゃないか? 妖刀的に、お互いを喰らい合うとかそういうことか?」
複数の職業はあまり好まれていないため、念のため片隅に残して別の考えを探す。
そんな中思い出したのは、他の妖刀を破壊することで強化されるという悪質な妖刀。
妖刀への妄執が生み出し、そして過去にかなりの妖刀を貪ったという業禍物。
話した『辻斬』曰く、すでに破壊されたという話だったが……なるほど、これだな。
「『SEBAS』、前に『辻斬』が話していた業禍物の件について確認を。可能なら、その事件で破壊された妖刀の数についても」
《──畏まりました》
「どうやって妖刀を用意していたのか、これが当たりなら確信に迫れるな。それに、両者の目的も……『陰陽師』には渡せないな」
迷宮の主の目的は妖刀の完成、『陰陽師』の目的はその奪取だろうか。
妖刀がどれだけ強くなっているか分からないからこそ、九拿が派遣されたのだ。
「──それでも、勝つのは俺だけどな」
依頼である調査は終わったも同然、ここからは俺の我を通すとしよう。
出し抜く……のはまず無理なので、その方法も考えておかなければ。
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