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DIY、対家族案を練る
妖刀戦争 その09
しおりを挟む妖刀は持ち運びも面倒臭い。
なので九拿は、『ソードホルダー』を使った俺に自分の集めた妖刀を渡してきた。
当然、厄介事はごめんなので、それを借りパクなどしないし、無断で使用したりなどは考えていない……ただちょっと、内部で勝手にスキャンが行われるだけだよ。
「おっと、これは……」
「疾ッ……ッ!」
三層の後半、いつも通り速攻で亡者を片付けようとしていた九拿なのだが、それを弾けるような個体が現れる。
俺は俺で、死亡レーダーでこれまでより脅威度の高い個体だと確認できたので伝えようと思ったのだが、九拿の動きがあまりに早くて言えないままだった。
「アレは個体の強さ……というよりも、妖刀の影響が強いようですね。なので、どうにかして妖刀を切り離せれば、結果的に倒せることができると思いますよ」
「……分かった──少し、力を出す」
轟ッと放たれる膨大な量の身力。
その中心には平然とした表情の九拿……本人の言う通り、これはまだほんの一部に過ぎないのだろう。
ガンガンと脳内で鳴り響く警鐘が、けたたましくなっていく。
集めていた妖刀の一本を腰に下げていたのだが、力に耐えきれず崩壊しつつある。
壊れるその前に、九拿はそれを一振り。
結果──三層のフィールドすべてが、その影響下に収まった。
妖刀を内側から破壊するほどのエネルギーが溢れ出て、そのすべてが周囲に拡散されていく……亡者も生者も関係なく、その対象に含まれて──
「『SEBAS』!」
《全探索者を対象に、強制転移を実行──成功しました》
こんなこともあろうかと、隠蔽状態にしたドローンをこの場の者たちに付けていた。
そして、彼らが力の波動に呑み込まれる前に干渉し──この場から脱出させる。
「これは凄いn──」
なお、俺自身はいっさいの対策をせず、その影響を甘んじて受け入れた。
死因は多種多様、エネルギーそのものだったり爆風だったり……いろいろである。
そして、[死天]によって死因はアイテムとして生成された。
普段の物よりも高性能、そして何より神の力が断片的に宿る代物となる。
「倒した……あれ?」
「や、やり過ぎですよ。何も策を講じていなければ、この場に居るすべてが無くなっていたはずですよ」
「でも、『生者』は居る」
「それは私が特殊だからですよ。いちおう言いますと、この私も何人目の私なのか理解しがたいものなのですよ」
よく分かっていなさそうだが、一つだけ分かったことがあった。
これこそが、『陰陽師』が九拿を秘匿し続けていた理由なのだろう。
──九拿の存在は、間違いなく『超越者』間のバランスブレイカーになり得るからな。
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