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DIY、対家族案を練る
職業相談 その16
しおりを挟む特殊な力場、そう呼ばれる場所はいちおうだが現実の世界にも存在する。
霊験あらたかな場所だの、聖地だの、まあ思い込みな要素が多々あるのだが。
EHOの場合、そういったあやふやな部分が可視化されているため本物と思える。
周囲を漂う光の玉、物理法則など関係ない不規則な動きで浮いているそれらもだ。
「なるほど、ここには精霊が生まれたのか。世界樹周辺には今までも居たみたいだけど、外部でここまでの量ってのは初めてだな」
《変化の生じた場所すべてが、世界樹の根を経由して影響を受けている模様です。中でもこの地は、精霊に関する力が発露しやすいように投資が成されました》
「精霊使いならぜひとも足を踏み入れたくなる場所ってことか……ああそうだ、ちょうどいいのがあった──『インストール:リアルチェッカー』」
かつて、探索イベントで遭遇したエクリの精霊化による潜伏を暴いた『プログレス』。
それを管理者権限によって、触媒である宝石に落とし込んで利用することに。
「おっ、もともとアイスプルの加護で精霊を認識することはできていたが……なるほどなるほど、これは凄いや」
俺自身に精霊を使役する才能は無く、かつて行った精霊召喚も向こうが高位かつ神が用意した触媒だったからこそ、拙い言語さえ使えばどうにかできる仕様だった。
そのためアイテムなどを用いない場合、俺は本来精霊を見ることができない……が、この世界においては限定的に、あらゆる存在を見通すことができる。
そんな『眼』を通してではなく、能力が示す存在たちを確認してみた。
脳裏に存在の位置を示してくれるので、正直目で見るだけよりも分かりやすい。
それによると、微精霊や下位精霊などの自我が薄い精霊たちのみが集まっている模様。
高位精霊などの格が高い存在は、さすがに居ないようだ。
「世界樹の付近にも高位精霊は居なかったよな。それって、どうしてなんだ?」
《精霊界とのパスが構築されていないからでしょう。ですが、それを行う術を旦那様は有しています》
「……まあ分かるけども。それには先に、お伺いを立てておいた方が良さそうだな」
《賢明な判断です》
なお、いちおう【見習い精霊士】や【精霊士】などはすでに就職しており、カンストもさせている……が、それでも精霊を召喚するなどはできない。
基本的に、そういったことは高位の職業にならないとできないのだ。
下位の職業で可能なのは、あくまですでにこちらへ来ている精霊との交渉のみ。
「貢物は……ああ、ちょうどいいのがさっき手に入ったんだったな」
それで納得してくれればいいのだが。
……うん、『神・世界樹』の本領が今発揮される時だ!
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