虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

文字の大きさ
上 下
1,859 / 2,812
DIY、対家族案を練る

職業相談 その04

しおりを挟む


 簡単なものから就いていく、ということで本来であればデメリットである強制就職が可能な職業から就いていくことに。

 基本的にその方法は、強制就職したい職業の上位互換によって行える場合が多い。
 たとえば『騎士王』なら【騎士】、そして【奴隷王】なら【奴隷】や【虜囚】だ。

 基礎的な職業は見習い職からの関係でほぼ解放済み、ネタ的な職業であればあるほど好ましいのだが……正直、そういった職業は強制解放が可能な職業に誰も就いていない。

「──結局、調べてみたら誰も居なかったわけだ……行き当たりばったり過ぎたな」

 解放が可能な職業を探し、その情報をタクマに横流しして探させた。
 ……本人はそれ以上に、俺が未知の情報を出したことに激しくツッコんでいたが。

 まあそれを無視してしばらく待った結果、少なくとも冒険世界に就職者は居なかった。
 他の世界ならあるいは、といったところだけども……難しいだろうな。

「しかし、他の世界か……そういえば、地域特有の職業があったりしたよな」

《ヴァルハラであれば【戦英霊】、レムリアならば【霊王】や【勇霊】でしょうか。その領域の理に馴染むような職業が、特有の職業として存在する場合が多いです》

「イベント世界にも、賭けに関する職業がいくつかあったけど……アレはどうなんだ?」

《あれらはどの世界にも共通して存在しておりますが、運の要素が必要になったり金銭関係の能力であったりと、あまり必要とされていないため、それらが望まれるコロシアムに景品として置かれていただけのようです》

 イベント世界は特殊な理があるわけではなく、逆にあらゆる理を許容している世界。
 その在り様は冒険世界にも似ているが、その目的が違っているのだろう。

「ん? じゃあ、冒険世界特有の職業ってどういうものがあるんだ?」

《やはり、その名に相応しく冒険に関する職業ですね。【探検者】や【調査士】など、非安全エリアでの活動を目的とした職業が多くございます》

「えっと、【探検者】ってのは【冒険者】や【探索者】とは違うのか?」

 見習い経由でそんな二つの職業を解放しているので、つい気になって確認。
 名前的に、二つの中間みたいな職業な気もするけど……。

《【探検者】はあらゆるフィールドでの活動に補正が入る、器用貧乏な職業でしょうか。もちろん、使い方次第で優秀な職業になりうるのですが》

「ふむふむ、ちなみにその就職方法は?」

《冒険世界にのみ存在する、冒険ギルドでのみ就職可能です》

「……『探検』なのに、冒険なんだな。しかも、逆に冒険はどこでも就けると」

 まあ、仕様についてどうこういっていても仕方ないか……星(地域)限定の職業か、それも候補に入れておこう。

しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。 了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。 テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。 それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。 やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには? 100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。 200話で完結しました。 今回はあとがきは無しです。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

「おまえを愛することはない!」と言ってやったのに、なぜ無視するんだ!

七辻ゆゆ
ファンタジー
俺を見ない、俺の言葉を聞かない、そして触れられない。すり抜ける……なぜだ? 俺はいったい、どうなっているんだ。 真実の愛を取り戻したいだけなのに。

だから聖女はいなくなった

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」 レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。 彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。 だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。 キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。 ※7万字程度の中編です。

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

投獄された聖女は祈るのをやめ、自由を満喫している。

七辻ゆゆ
ファンタジー
「偽聖女リーリエ、おまえとの婚約を破棄する。衛兵、偽聖女を地下牢に入れよ!」  リーリエは喜んだ。 「じゆ……、じゆう……自由だわ……!」  もう教会で一日中祈り続けなくてもいいのだ。

処理中です...