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DIY、対家族案を練る
職業相談 その02
しおりを挟む条件が厳しい職業が存在するため、すべての職業に就職できていない俺。
ただし、『プログレス』の運用方法次第では就職もその後の有効的な利用法も浮かぶ。
「そうだ、【賢者】というか最上位職で思い出したんだが……実際の所、休人たちってどれくらい就けているんだ?」
《運営が公式に発表しているデータによりますと──極級職が30、超級職が150ほど休人のモノとなっております》
「総数が分からないから、どれくらいは分からないが……結構な人数が試練をクリアしているんだな」
試練……俺のよくやっていた『神』の方ではなく、あくまでも『試』練だ。
超級、そして極級職はその二つを合わせて最上位職と呼ばれている。
理由はどちらも、就くことができる人数に制限があるため。
超級の方は基本的に5人、そして極級の方は確定で1人限定だ。
例外の一つは、『騎士王』の配下の皆様も就いている【円卓騎士】。
アレはお察しの通り、超級職でありながら13人が就くことのできる職業だからな。
そんな感じで、先着順の貴重な職業なので奪い合いが昔は行われていらしい。
そしてそれは、休人の参戦によって爆発的に加速したようだ。
……休人は殺しても確実に蘇る。
そのため自ら離職させない限り、絶対に就いた最上位職を手放さないからな。
「それらに就くための最終的な壁こそ、ほぼ確実に与えられる試練クエスト。そして、基本的に死んだらその時点で強制退場だから俺は無理……うん、どうしようもないな」
俺、というか『生者』の権能はあくまでもその場で死に戻りを行うだけに過ぎない。
最近は地味に延命を頑張っているが、それらも決して無限ではないのだ。
過去、『SEBAS』が集めてくれた情報の中には、試練として一定時間生き残るという内容があった……他にも試練はその職業によるのだが、少なくともその条件は無理。
あと、これが一番の問題なのだが──俺がそんなことをしたら、おそらく『騎士王』から制裁が下される。
そりゃそうだ、冒険世界にしかない特有の職業だって存在するわけだし。
これまた例外に含まれる【勇者】は許されるにせよ、あまり多くは許容されない。
「なあ、『SEBAS』。たしか、条件を満たしてしまうと職業の剥奪もありえるんだっけ? 星がどうこうで」
《特定の職業以外で、星にとって害をもたらす存在への制裁ですね。悪行を役割とする職業のみが、それを回避できます》
「……なんでそんな職業をって言いたいところだけど、そこに突っ込むのは野暮か」
世の中にはバランスというものがある。
アイスプルの【救星者】として、それを俺は大変痛感していた。
これも必要なことなのだろう。
だからこそ、それ以上の面倒事を排除するための理が、あらゆる星に共通した理として備わっている。
あっ、ただし剥奪は非常のコスパが悪いのでアイスプルでは使う予定はない。
ついでに言うと、それは級が高いほど消費するので……うん、絶対に使わないぞ!
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