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DIY、対家族案を練る
対家族製作 その13
しおりを挟む人族では本来干渉できない世界の穴、そこに干渉するためメカトラへ希った。
結果として、その姿を鍵と化したメカトラによって無事穴は塞がれることに。
「『機鍵[虎星]』……名称はメカドラと似た感じになっているな。それに、さっきの能力。“堅虎封緘”だっけ? あらゆる概念を封印ってテキストに書いてあるんだが」
《メカドラの“極龍砲光”同様、それ自体にかなりのリソースを消耗する能力なのでしょう。旦那様の願いの内容に合わせ、最適な判断をしたと思われます》
「あー、あの言い方だとな。まあ、世界の穴だけに特化していたら、また別の姿になっていたかもしれないのか」
だが、俺当人の意見としては、好き好んでそんな面倒事には関わりたくなど無い。
なので願いは幅広く、あらゆる事態を予想した内容になっている。
だからだろう、“堅虎封緘”は封じようと思えばなんだって封印できる。
今回のように世界の歪だったり、あるいは人族が有する[ステータス]の一部でも。
そのデメリットは冷却時間。
封印した概念に応じて、再発動に必要な時間が増大してしまう……ちなみにだが、逆に封印を解くのは再び差せばすぐにできるぞ。
「これで……問題は解決か?」
《再び穴を開くためには、相応の時間が必要になるでしょう。また、感知器を配置しておきましたので、何かあればその都度彼らが対処するはずです》
「おっと、そうだった。俺たちはその彼らに会いに来たんだったな。バシビウスも完全に排除できたし、早く見つけないと」
用意したドローンが、彼らの避難先と思われる地下に向けて飛んでいく。
洞窟やら穴を通じて、どこかに隠れていないのかを見ているわけだが……。
《確認できません》
「『SEBAS』の言ったことを疑っているわけじゃない、だからこそ謎だ……もしかしてとは思うが、本当にその下に居るのか?」
その下、とはつまりこの世界を支える星獣である亀の甲羅のこと。
さすがに星獣を相手にしたくはないと、ドローンはまだ向かわせていなかったのだが。
そうなると話は別、なんとかして送り込まないといけなくなる。
不快にさせないよう、やり方を考えないとならない。
「世界のどこかに、亀の甲羅へ転移することができる場所があるのかもしれないな。でもそれを見つけるのは困難だろうし……こうなれば、アレしかないな」
《旦那様、アレとは?》
「──直接伝える」
ドローンを使って向かうのも悪くは無いのだが、こういうのはやはり自分で行かねば。
幸い、この世界であれば直接乗り込むこともできなくはない──さぁ、挑戦だ。
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