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DIY、家族と戦う
第二回家族イベント後篇 その04
しおりを挟む「──“弧郡刃牢”!」
ショウは狼のストラップを空に掲げる。
それはかつて、多世界交流試合で用いられた『孤軍刃籠[シャロウ]』の必殺技。
舞台の至る所に現れた膨大な数の剣。
それはさながらショウとルリを包み込む檻と化し、グルグルと回り続ける。
この日のために準備をしていたのだろう。
俺の創った剣以外にもさまざまな剣が、この能力を発動した際に展開されるよう設定されており……使われる瞬間を待っていた。
≪ここでルリ選手が姿を現しました……これはどういうことでしょうか?≫
《おそらく並ぶ剣の中に、隠蔽を看破する代物があるのでしょう。“刃影”同様、展開中はショウ選手の補正は剣の数だけ向上するため──能力値だけを見れば、今のショウ選手は誰よりも強くなっているでしょう》
逆境で強くなる『ブレイブソウル』、その効果を増幅する“チェインソウルズ”。
剣を持つと強くなる【剣星】、行いを認められた証である『剣皇』と『闘天』。
ルリが神の力で全スペックを高めているのに対し、ショウは人族に与えられたさまざまな恩恵を組み合わせて挑む。
《アズル選手、ここで精霊を帰還させましたようです。そして、代わりに異なる魔法を行使し──竜魔法を発動しました》
≪……そういえば、ルリ選手には竜魔法がございましたね──って、おおっ! なんと竜が現れた!? これはいったい、どういうことなんでしょうか?≫
《本来、竜魔法自体に竜を生み出す魔法はございません……おそらく、アズル選手がいくつかの魔法やスキルを組み合わせることで、擬似的に生み出した魔力生物なのでしょう》
なんとルリ、竜を生み出す魔法か能力的なものがあるようだ。
聖気か神気を用いたのか、魔力生物というには神聖な感じがする白竜である。
≪ショウ選手、ここで剣の中から一本を選びました。少しだけ、竜が警戒をしているようですし、竜殺し的な武器なのでしょう≫
《選んだ武器は“刃影”とリンクし、二本同時に使用することが可能です。また、装備していない剣でも、能力の一部を引き継ぐことができます──あのように、星剣のオーラを纏うことができるようです》
ショウの竜殺しの剣が、[フライハット]のように星のオーラを纏いだす。
剣自体の性能も高まっているようで、さらに白竜が警戒を強める。
問題は白竜が空を飛んでいることだが、その点は解決済みなようで。
ごく自然な流れで何も無い場所に足を伸ばすと、宙を足場に空を駆けていく。
マイの聖天狼がやっていたような移動を可能にする空歩や天駆といったスキルの効果だろう……天を歩み、ショウは竜へと挑む。
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