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DIY、今度は開く
探索イベント その03
しおりを挟む新エリア──『鍵の間』出現。
その通知が届いた休人たちは、すぐに初級エリアと繋がる扉を見た。
そこには……何も無い。
しかし、何らかの形で聴覚に補正を持つ者が気づく──何かの駆動音がすると。
──『SEBAS』、自爆だ。
──畏まりました、証拠隠滅。
小さな爆発音と共に、その駆動音すら場から消え失せる。
先ほど聞き取った音は勘違いだったのだろうか、そう思う休人たち。
「……用意周到な策、俺に対策している可能性があるな。周囲を探らせろ」
『──ハッ!』
「逃がさんぞ、代表。最後に勝つのは、この俺なのだからな」
そんな呟きもまた、駆動音が鳴らないように改造されたドローンが聴いていた。
◆ □ ◆ □ ◆
……危ない危ない、堂々と前に進み出ていたらジンリにバレるところだった。
いや、正確にはもうバレたのだが……居場所までは掴まれていないはず。
「なんで最初の一機は、無音飛行型を使わなかったんだ?」
《旦那様の力を読み違えるよう、情報を錯綜させているからです。いずれ、旦那様の情報に辿り着いたとき、エリアの解放は必ずヒントになります。なので、それを正解から遠ざける情報を混ぜました》
「まあ、機械を用意できる……ぐらいならまだバレてもいいか。それより、解放者の方はどうなっているんだ?」
《確認します──『解放者:■』、成功しております》
なお、名前の部分が一文字しか無いのは仕様になっている。
だってほら、文字数が一致してバレるなんて定番だろう?
なので[ステータス]の名前欄を『■』状態にしたうえで、“星記改悪”で三文字から一文字にダウングレードしたわけだ……割と自由性に富んだ術式なんだよな。
「前は偽名を使うしか無かったけど、これなら俺だとちゃんと出しているうえで報酬が貰えるからな」
《しかし、運営のように休人を管理している側からすれば小細工同様かと》
「つまり、『プログレス』で同等の権限を再現されると困るわけか……いわゆるID表記みたいなヤツだな」
休人も同名の者が存在する。
ならば何を以って管理するのか──その答えが隠しステータスのIDだ。
休人、そして原人それぞれの方式で番号が振られている。
……まあ、細かい話はいずれするとして、気づくための手段もあるというわけだ。
「それよりも、みんな新エリアにどんどん入場しているな」
《そこで新たな解放の鍵を発見すれば、次の解放者となれますので。躍起となって、入場するのでしょう》
「……絶対、時間掛かるよな。俺もかなりの時間を掛けたわけだし」
名称からそれを察した人たちは、入場者を生贄にしている。
情報の方の[掲示板]で、それもすぐに分かるだろう……どんな場所なのやら。
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