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DIY、今度は開く

VSチャイナ娘 その07

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 ジーヂーの言葉によって、再び活力を取り戻したナヨ。
 己の『プログレス:バトルラーニング』を使い、アンノウンに勝つべく構えを取る。

「ナヨ、お主の『バトルラーニング』は最適解であるがゆえに動きが読みやすい。じゃから、それを踏まえたうえで先読みをすることが重要になる」

「うん、やってみる」

「──準備は宜しいようで。それでは、第二ラウンドの開始です」

 そう語るアンノウン(ツクル)もまた、擬似的に『バトルラーニング』を行使した。
 性能は本物とほぼ同じ、そして積んできた経験は本物を超えている。

 両者、同時のタイミングで動き──体をぶつけ合う。
 それは一度目と同じ、だが第二ラウンドにはこれまでと違うことがある。

「頼るでない。お主のそれは、あくまでも補助に過ぎん! 最適解を騙す動き、それの己自身で編み出すのじゃ!」

「!」

「これは……なるほど、面白いですね」

 これまでは、完璧な形で防御を行ってきたアンノウンだったが……少しずつ、攻撃が掠るようになっていく。

 フェイントを交え、あえて致命傷では無い部分を狙いに加える。
 その挙動を『バトルラーニング』が調整、より効果的になるようにしていく。

「まだまだぁ──“博命闘インファイト”!」

 畳みかけるように武技を発動。
 生命力を意図的に減少させ、その分だけ攻撃の火力を増すことができる。

 だが、本命はそちらではなく、同時に行われる身体強化。
 速度が向上し、動きは滑らかに……結果、アンノウンを殴り飛ばすことに成功する。

 両腕をクロスさせて防いだアンノウンだったが、衝撃を殺し切れなかった。
 それでも舞台の上でギリギリ踏み止まり、やや浅い呼吸を一度する。

「……ふぅ。格段に、動きが変わりました。これならば、もう少し本気を出しても大丈夫ですね」

「……それ、悪役の台詞だよ?」

「構いませんよ──“天閃腕”」

「──“龍砲”!」

 大きく足を踏みしめ、その衝撃を以って放つ横薙ぎの斬撃。
 アンノウンの放った一撃に対し、ナヨは両手を構えて前に突きだす。

 高速で撃ち出された空気は、龍の顎と化し斬撃に喰らい付く。
 均衡、そして力量差により──アンノウンは再び吹き飛ばされる。

「うむ、正常な動きさえしておれば、奴には負けぬよ。いかに『げーむ』の補正があろうとも、最後に物を言うのは力じゃからな」

「……なるほどなるほど、孫娘さんはとても力持ちなんですね」

「その言い方、なんか悪意があるじゃろう」

「いえいえ、そのようなことはまったく。ですが……貴方の物ではない武技も使われたようですし、こちらも改めて魔法の類いを使うようにしましょう」

 そう、初手からまったく使ってこなかった魔法にもナヨは備えなければならない。
 だが、自然と恐怖は無い……祖父とならば乗り越えられる、そう信じているから。

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