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DIY、広めに向かう
異神話対戦 その16
しおりを挟むVS抜け神の戦いは続く。
ダメージを与えることはできたが、その代わりにキレてパワーアップ。
溢れ出る膨大な神気は、これから何かが起きるであろう予兆。
俺もアインヒルドも、それぞれ武器を構えて警戒する。
「うごぉおお──『■■』!」
「「っ……!」」
「止じろ、停じろ、閉じろぉおおおおお!」
発揮されたソレは、世界を大きく歪ませるナニカを展開した。
俺とアインヒルドは、いつの間にか牢屋の中に収容される。
いや、至る所に檻が見えるそれは、檻というよりは監獄だろう。
……脱獄神、その神威はこうした在り様なのか。
「これは……どうしますか?」
「ん? そりゃあ──脱獄だろ」
「…………あの、いったいどうやって檻を開いたのですか? まさか、実は施錠されていなかったとか?」
「いや、思いっきり頑丈に施錠されていたみたいだぞ。けど、俺にはこれがある」
まったく使っていなかったけど、ここぞというときに便利なアイテムシリーズ。
その一つである『万能開錠の鍵』は、その名の通りどんなものでも開けられる。
しいて挙げるなら、創造神様の力以上のナニカで施錠していれば開けられない。
……が、今回脱獄神は抜け神としてあらゆる性能が落ちているからな。
「それにしても広いな……闘技場との繋がりはどうなったんだ?」
「分かりません。ですが、連絡は付かないようです。そちらはどうでしょう?」
「──バッチリだ。いつでも助けを呼ぶことができそうだぞ」
「…………ハァ」
なぜか溜め息を吐かれてしまったが、元より『超越者』やら神の試練やらで連絡が出来なくなる状況に何度も陥っている。
だからこそ、それに対応できるようにこれまであの手この手で対策をしていた。
不完全な状態での神威の発現なら、どうやら『SEBAS』との繋がりは維持できる。
「じゃあ、脱獄するわけだが……具体的にどこをどうすれば脱出になるのやら」
「神の神威とは、その神の成り立ちや伝説によって強まります。ゆえに、神威もまたそれらの影響を受けますので……」
「脱獄っぽいことをし続ければいいってことか? 脱獄神の逸話とか、そういうのを俺はまったく知らないんだよな」
「……何を言っているのですか? 抜け神はそれこそ──貴方の崇める神話に所属する神ではありませんか」
俺の崇める神……ルリじゃないと思うし、この場合は創造神様か。
つまり、ある意味で創造神様や死神様と、脱獄神は同族ということになるわけで。
「……それはなんか嫌だな。よし、徹底的に神威をズタズタにしよう」
「そんなことが可能なのですか?」
「まあ、見てなって。さっき鍵を開けた時、気づいたことがあるんだ」
そういえば、迎えが来るということは創造神様の関係者(神)が来るのか。
……取り逃がしてはいけない理由が、増えてしまったな。
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