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DIY、広めに向かう
WITH仙王 その08
しおりを挟む迷宮の転移をリスク無視で行い、強引に最下層へ移動。
各階層に援助用の人形を配置したので、仙人関係者たちは死なないはずだ。
「さて、入口へ向かう前に確認のためこちらへ来ましたが……核はどうですか?」
「初代様も手を上げるほどだ。だが、いちおう見てほしいとのこと。『生者』、頼むぞ」
「では、さっそく」
現在、内部であれこれしているであろう初代【仙王】はここには居ない。
最下層、すなわち迷宮の核となる区画──そこにある迷宮核を見るのが今回の目的。
「……『SEBAS』、頼む」
《畏まりました──【救星者】による権限を行使。迷宮『通天の晶洞』のシステムに干渉します……成功しました》
「バレないようにな」
あの頃、つまり初めて迷宮の情報をコピーしたときと今とでは、俺にできることはまったく異なる。
箱庭を掌握したように、迷宮を管理者以上の権限で操作することも容易い。
……が、やり過ぎると初代【仙王】にバレるので、あくまでも分からない範囲でだ。
しばらくすれば、『SEBAS』が結果を伝えてくれる。
俺はさも自分でやった風に振る舞い、その情報をそのまま語ればいい。
「……残念ですが、失敗です」
「そうか──」
「なので、一定時間内の生成速度だけは抑えておきました。最終段階で出現する強力な魔物の方は無理でしたが、弱い魔物が波のように襲ってくる……といったケースの方は可能な限り減らしておきました」
「…………ん?」
不思議そうな表情は、果たしてどういった心境によるものなのか。
さすがは『SEBAS』、システム的に不可能な部分以外は完璧に手を加えたようだ。
それ以上のことは、さすがに初代【仙王】にバレてしまう。
あくまでも偶発的に、そんな雑魚登場部分がカットされている……という流れだ。
「ついでに、ある程度進路を調整してあります。属性や種族で纏めましたので、特訓内容に合わせて配置換えをお願いします」
「ハッ、ハハハハッ! そうか、『生者』に掛かればこれも特訓か! これは良いことを聞いた!」
「特訓というよりかは、試練でしょうか? 彼らがそれを乗り越えられるよう、全力でサポートさせていただきます」
「それは心強い。王、すぐに連絡の準備を。今のままだと無駄が多い」
「えー、めんど──って、全部言わせて! あっ、ツクル、たすけ──!」
強引に『闘仙』に連れられ、連絡網代わりにさせられるであろう【仙王】。
とりあえず合掌……彼女の犠牲もあり、準備はすぐに済むのだった。
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