虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、広めに向かう

WITHシステム 後篇

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 WITHシステムによって、人々は新たな生活を迎えた。
 そんな中、空間系の発現タイプを見たことで浮かんだ疑問。

 表に能力を顕現することで、使用者にどういったメリットがあるのか?
 そして、それらができない者たちにWITHシステムがもたらす恩恵……とかだな。

《では、お答えしていきましょう。まず、視覚的に顕現を確認できないもの──領域型や置換型についてご説明となります。これらは目に見えない代わりに、WITHシステムを使用中も使用者との繋がりが構築されます》

「それは、もともと『プログレス』だったときからあるんじゃないのか?」

《いいえ。WITHシステムは完全な分離ではありませんが、それでも顕現中は使用能力に制限が生まれます。ですが、先ほど挙げた二種にはそういったものがございません》

「……まあ、ずっと繋がっているわけだし。それはそうだろうな」

 人型、そして動物型の場合、その代わりに生みだした存在がスキルを使えるとのこと。
 適性のあるものに限り、魔石が必要ではあるが……可能らしい。

 だいぶ前に『機械皇』と語った、無機物にスキルを宿せるかどうか。
 その問題を、『プログレス』は部分的に解決しているようだ。

《また、領域型と置換型でもそれぞれ異なる利点がございます。領域型の場合、旦那様が感じた通り領域内での優先的な効果発動が可能となります。『プログレス』に適した能力に限りますが、それでも有用です》

「隠蔽を暴く『プログレス』で、さらに看破とかを複数やれば……何重にも防いでいても貫かれそうだな。火なら燃えやすくなるし、強化ならさらに強化される。便利……なんだろうな。それで、置換型は?」

《置換型の場合、置換した部分に関する能力に補正が載るうえ、実際に存在する物であればほぼ破壊不可能となります》

「……ん? 物理干渉はできないって言ってなかったか?」

 置換型に限り、そうでもないらしい。
 もともとWITHシステムを使わずとも、発動すれば本来在るはずの物と置換して発現していたものだ。

 なので置換型の場合、俺の結界のような膜で擬似的に干渉可能となっているらしい。
 失われてもそれを取り戻せる、これはかなり有利だよな。

「ちなみにだが、これらの上位版とか複合版なんかもあるのか?」

《現在は見受けられておりませんが、それを人々が望めばそうなるかもしれません。プログラムは素地を提供するだけ、以降は彼ら自身が望むままに成長していきます》

 あればそれを意識し、それゆえに望む。
 これからどんな風に変化していくか……楽しみにしておこう。

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