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DIY、守り攻める

怪ノ物騒動 その07

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 旗を振って怪ノ物たちを薙ぎ払う。
 最適な動きは彼らを寄せ付けることなく、望むままに俺は移動できる。

 怪ノ物たちは部隊を編成し、それぞれの場所に適した怪ノ物を配備していた。
 なのでそこらじゅうを駆け巡っては、必要な因子を奪って解析を掛けていく。

 吸血鬼、狼男、人造人間……さまざまな相手から因子を確保した。
 しかし、遠距離から魔法を撃ってくる魔女などからはまだ取れていない。

「行くか──“星転飛流”」

 特殊生産部門で創ったアイテムの数々。
 大会では使われなかった、足装備『星水の足袋』の能力が“星転飛流”だ。

 発動すると足元から、膨大な量の水が流れていく──なお、これは聖水である。
 流れはまるでプールのスライダーのようにうねり、道を形成していった。

 そして俺はその流れに乗り、これまで以上の速度で陣営の奥深くへ切り込んでいく。
 旗はなお靡き、物ノ怪たちに勇気と力を与えている。

 聖水を忌避する種族はそれだけで回避しようとするし、そうでなくとも急な勢いが俺の道を阻むことを許さない。

 ──故に辿り着く、最深部へ。

「言葉を交わすつもりはありません。早々で悪いのですが──“星生夢幻”」

 そして、そこで放つ新たな能力。
 これまた未使用の一つ、『星樹の軽鎧』の“星生夢幻”。

 素材となった星樹から放たれる、霧状のナニカ。
 それを浴びた者たちは突如として発狂し、そのまま気絶していく。

 正直、これを使うだけですべてが解決するのだけども。
 でも、これは彼らの問題……俺が一人で終わらせるというのはナンセンス。

 コミと話し合い、『ベストペスト』で平和的に鎮圧することを選んだ。
 しかしまあ、それはそれである意味物騒ではあるがな。

 これの利点は、弱体度合いを自在に調整することができること。
 一回解析を終えれば、程度を変えて好きなように細菌が作れるからな。

 今回は鎮圧目的でも、それ以外の用途でも使うことができる。
 ……うん、細菌兵器のヤバさに気づいたからこその、持ち主の言動だったのだ。

「さて、因子を採取しないと」

 霧の影響が及んだ範囲で、今なお活動している者は誰一人としていない。
 星の力を使った能力なのだから、相応の力が無ければ抵抗は不可能だ。

 まだ因子を採取できずにいた怪ノ物たちから血などを奪い、解析していく。
 少しでもデータが多い方が、より怪ノ物だけに特化した細菌が出来上がる。

 幻覚の深さはそこまでではないので、そのうち勝手に目が覚めるだろう。
 それより早く、ここから脱出しないとな。

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