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DIY、守り攻める
古代箱庭防衛策 その04
しおりを挟む準備はするが、休人たちがこの都市に到達するのはまだ先だ。
だが、まったく気づかないというのもおかしいし、すでに見られた者もいるとのこと。
なのでとりあえず、受け入れられる体制などが必要だ。
そもそも、俺は普通に話せているが……言語からどうにかしないといけない。
そちらに関しては、技術と違っていっさい手を付けていなかった。
俺が彼らの言葉を理解している以上、修正する必要が無かったからな。
故に滑らかになった彼らの言語だが、あくまでも彼らの言葉での範疇だ。
耳がイイから他の言語もそれなりに再現できる、なんて某民族とは違うのである。
「まあ、言葉に関しては『代表』に任せおくとしよう。いっそのこと、言葉が伝わらないという設定にして、それを利用するって案もあるけど……これは不味いよな」
《言語系、意思伝達系の『プログレス』も存在します。そういった能力の持ち主に、意図が読まれることを想定しなければならないでしょう》
「そういうこともあるのか……じゃあこれは没にして、しっかりと言語習得の方に励んでもらうとしますか。最悪に備えて、万能翻訳機の複製はしておいてくれ」
《畏まりました》
某こんにゃくのように、ありとあらゆる言葉が……というほど万能ではない。
がしかし、先ほども上がった意思伝達系の『プログレス』を参考に作られているのだ。
使用者同士の意思を読み取り、自動的に最適な言葉を相手に届けてくれる。
些細な違いなどもほぼありえない、意思にそう言葉を選ぶ仕様だ。
とりあえず、要塞都市の古代人たちには簡易でそれらを使わせるとして。
外部へ出る者たちに、言語習得を必須とすればよいだろうか。
「……あー、そもそも言語理解スキルなんてのもあったか。『SEBAS』、そういえば定番のこのスキルじゃバレないのか?」
《言語理解スキルはスキルレベルに応じ、言語への理解を深めます。パッシブでは言語に会する理解能力の向上、アクティブの場合は指定した言語に限っての更なる理解度補正がもたらされます》
「こう、異世界ものだと定番な言語理解のスキルだが……アクティブ能力があるんだな」
《パッシブで発動する効果との違いは、ある程度疲労することです。身力値の消費はもちろんのこと、脳の処理能力を大きく使用するため、ステータス上での表示以上に心身が付かれることになります》
まあ、強制詰め込み学習するようなものだし、そりゃあ疲れるか。
それでも、疲れる分より相手の言語を把握するために必要な時間は減少するわけで。
要は『プログレス』ほど急でなくとも、いずれそちらのスキル持ちでも言葉を把握できるようになるということ。
──やはり言語については、考えておかないとならないな。
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