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DIY、多世界と交流する(物理)
多世界バトル中篇 その04
しおりを挟むこの前哨戦の段階で、アイテムを一品も創れていない者は自動的に脱落となる。
まあ、この条件は適当に草を編んで輪っかでも作れれば解決だし、平気だろう。
そんなわけで、参加者はそこまで減っておらず現在の数はおおよそ百。
まだまだ大会をやるには、人数が多いというわけで……裁定が行われる。
≪──それでは、参加者の皆さん。これより皆さんの生産した品々をチェックさせていただきます。生産品の品質に応じたポイントが与えられ、最終的に合計数が高い者から本選への出場が認められます≫
というわけで、一部の参加者からクレームが出始める流れとなった。
まあ、妥当だろう……さすがに適当に作った一品で挑むのは認められないだろうし。
品質は基本的にSからF-まで存在し、高ければ高いほど補正が入る。
Fで1.05倍、Cで1.5倍、Sで2倍になるといった形だ。
仮に倍率の『%』と同じ分で得点を評価されるのであれば、最低品質と最高品質では圧倒的に差がある……そんなわけなので、作った品で正当な評価が課せられるだろう。
一つの品に力を注いだ者、ある程度妥協できる品を複数用意した者。
どちらであろうと、そこに相応の技術さえあれば合格できる仕組みなのだ。
おそらくこの推理に間違いはないはず。
この部門は特殊生産であり、素材そのものに重きは置いてはいないだろう……というかそれだと落ちるので、勘弁してほしい。
≪──集計が完了しました。では、上位十六人を発表します≫
約六分の一ほどしか残れない計算だが、そもそもそれだけ狭い分野だからと納得する。
なのでその点に関しては気にせず、問題となる通過者リストに目を通す。
リストに関しては、舞台の上に投影されているようで……それを眺める者たちから、さまざまな声が上がっている。
俺も彼らと同様に、眼前に表示されるリストを見るのだが……少々引くついてしまう。
「登録名載るのか……隠して良かった」
アンノウンとはまた違う名前で、今回俺は参加していた。
わざわざ変更したのは、そうした方がいいと『SEBAS』から聞いていたから。
これを予想してのことなのだろう。
基礎縛り部門の優勝者が、こちらでも無双する……悪い風に考える者が、居ないとも言い切れないからな。
なお、登録名が載っていることを気にしたのは、それ以外にも表示されているものがあるからだ──うん、順位だよ。
ポイントなどは掲載されていないが、俺の名前の隣にも数字が割り振られている。
上に居れば居るほど、周囲からの視線は厳しくなるだろう。
──お察しの通り、俺は一番上だけどな。
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