上 下
1,501 / 2,752
DIY、強者の宴に混ざる

アンヤク(03)

しおりを挟む


 ■■世界アイスプルより、各世界への情報発信──応答願う。

 幽源世界レムリア──確認しました。
 ■■世界パシフィス──確認しました。
 ■■世界イベンリア──確認しました。
 冒険世界アドヴェンス──確認しました。

 応答を識別しました。

 冒険世界との接続により、開示情報の拡張が確認されました。
 これにより、【救星者】及び代行者からの依頼オーダーを受信──送信します。

 レムリア──確認……受諾。
 パシフィス──確認……拒否。
 イベンリア──確認……拒否。
 アドヴェンス──確認…………保留。

 受諾:1・拒否:2・保留:1を識別。
 依頼は否定を宣告──認証されました。

 各世界へ、次いで依頼を確認。
 接続可能な異世界への、中継接続を依頼します。

 レムリア──不可能。
 パシフィス──不可能。
 イベンリア──確認……可能。
 アドヴェンス──確認……可能。

 不可能:2・可能:2を識別。
 イベンリア及びアドヴェンスには、後ほど情報を送信します。

  ◆   □   ◆   □   ◆

 冒険世界より報告──送信。

「なるほど、そのような結果に至ったか……その対策はどうするのだ?」

 応答──【星■■】を派遣。

「今はまだ早い。これまでの積み重ねが、それを証明しているであろう。それに、その選択は其方を削るはず……改めよ」

 了承──監視を提案。

「それがいい。はぁ……まったく、世話の焼ける男だ」

 了承を確認。
 報告を終了する。

  ◆   □   ◆   □   ◆

 起動を確認……情報をインストール。

「──インストール完了。擬似人格を起動します……それで、私はいったい何を?」

 依頼を送信。
 指示に従い、適切な行動を依頼する。

「……なるほど、監視を。しかし、その案は否定されたようですが?」

 依頼が不適切である可能性を提示。
 星剣より得た情報との不適合を確認。

「あくまで彼の意思ではなく、その代行者によるものだったと? ですが、それはこれまでも同じだったのでは?」

 当世界との接続を正式なものにした以上、それを調べる義務がある。
 故に起動を実行、監視を行わせるに至る。

「……そんな義務、無いと思いますけど。まあいいです、そういうことならば顔を出さずともいいみたいですし。注意すべきは、彼を意図せず殺してしまったら検知されることですかね……どうしましょう?」

 ……期待する。

「あっ、ちょっと……! もう、本当に接続が絶たれました。まあいいです、久しぶりの起動ですね……今じゃあの頃は神代って言われているんですか。なんだか寂しいですが、仕方ありませんね──調査を開始します」

  ◆   □   ◆   □   ◆

 その日、世界に何が起きたのか……それを知る者はごくわずかだ。
 しかし、それを知る者たちは察する──間違いなく、世界が大きく変化すると。

「しかしまあ、なんとも暇な日だな……こういう日は、アレでも飲んでハッスルしちゃうのもいいかもな」

《飲み過ぎにはお気を付けください》

「分かってるって……本当、気分がいいのは最初だけだからな」

 その根幹にある男は、事実を知らされないままに今日も今日とで楽しく生きている。
 彼がその事実を知るのは……そう遠い日のことではない。

しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~

山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。 与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。 そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。 「──誰か、養ってくれない?」 この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。

微妙なバフなどもういらないと追放された補助魔法使い、バフ3000倍で敵の肉体を内部から破壊して無双する

こげ丸
ファンタジー
「微妙なバフなどもういらないんだよ!」 そう言われて冒険者パーティーを追放されたフォーレスト。 だが、仲間だと思っていたパーティーメンバーからの仕打ちは、それだけに留まらなかった。 「もうちょっと抵抗頑張んないと……妹を酷い目にあわせちゃうわよ?」 窮地に追い込まれたフォーレスト。 だが、バフの新たな可能性に気付いたその時、復讐はなされた。 こいつら……壊しちゃえば良いだけじゃないか。 これは、絶望の淵からバフの新たな可能性を見いだし、高みを目指すに至った補助魔法使いフォーレストが最強に至るまでの物語。

神速の冒険者〜ステータス素早さ全振りで無双する〜

FREE
ファンタジー
Glavo kaj Magio 通称、【GKM】 これは日本が初めて開発したフルダイブ型のVRMMORPGだ。 世界最大規模の世界、正確な動作、どれを取ってもトップレベルのゲームである。 その中でも圧倒的人気な理由がステータスを自分で決めれるところだ。 この物語の主人公[速水 光]は陸上部のエースだったが車との交通事故により引退を余儀なくされる。 その時このゲームと出会い、ステータスがモノを言うこの世界で【素早さ】に全てのポイントを使うことを決心する…

最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO

無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。 名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。 小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。 特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。 姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。 ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。 スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。 そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。

Free Emblem On-line

ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。 VRMMO『Free Emblem Online』 通称『F.E.O』 自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。 ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。 そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。 なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。

World of Fantasia

神代 コウ
ファンタジー
ゲームでファンタジーをするのではなく、人がファンタジーできる世界、それがWorld of Fantasia(ワールド オブ ファンタジア)通称WoF。 世界のアクティブユーザー数が3000万人を超える人気VR MMO RPG。 圧倒的な自由度と多彩なクラス、そして成長し続けるNPC達のAI技術。 そこにはまるでファンタジーの世界で、新たな人生を送っているかのような感覚にすらなる魅力がある。 現実の世界で迷い・躓き・無駄な時間を過ごしてきた慎(しん)はゲーム中、あるバグに遭遇し気絶してしまう。彼はゲームの世界と現実の世界を行き来できるようになっていた。 2つの世界を行き来できる人物を狙う者。現実の世界に現れるゲームのモンスター。 世界的人気作WoFに起きている問題を探る、ユーザー達のファンタジア、ここに開演。

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

処理中です...