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DIY、強者の宴に混ざる

強者の宴 その16

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 星剣。
 本来意味するのは、星脈から溢れ出た星の力を内包した剣のことだ。

 広義の意味で言えば、俺がショウに渡した『星鉱剣[フライハット]』もその一種。
 しかし、目の前で力を解放するその剣は、それらとは別格の存在感を放つ。

「正真正銘、冒険世界が認めた【冒険勇者】に与えられる星具だ。アレこそが、間違いなくこの世界最強の武器なのだろう」

「アレが……」

 舞台の上で戦う【魔王】と【勇者】。
 強者の模倣で無双していた【魔王】に対して、切り札を使うこの世界の【勇者】。

 たしかにその存在感は尋常ではなく、結界が無ければ観ていただけで死んでいた。
 ……それはそれでサンプルが欲しかったのだが、今回は自重しておく。

「代々『騎士王』が振るう聖剣、『生者』が創り上げた星鑓も指折りの逸品だ。しかし、この世界で用いるという条件であれば、ありとあらゆる理を超えて、アレこそが最強の一振りとなるのだ」

「……それは、どういった理屈で?」

「子供の我が儘のような物だ。自分の領域において、自分が一番強い。どれだけ強くても関係ない、自分の中では自分が一番だ……そういったありえないはずの理を、世界が他に強要しているだけのこと」

「なるほど、それは……もう、どうしようもありませんね」

 星剣を解放した【勇者】は、ただ剣を薙ぐだけだ。
 しかしその瞬間、いつの間にか【魔王】はその剣の前に立ち斬撃を防いでいる。

「剣を振るのならばそれは当たる。斬撃を届かせるのではなく、当たることを強要する。それがあの剣の第一段階」

「……理不尽過ぎではありませんか?」

「その分、解放には必ず条件を満たしておく必要がある。今回の場合、一定時間以上の戦闘継続の条件を満たしたのだろう」

「お詳しいですね」

 どうやら代々の『騎士王』が、そういう部分も調べていたらしい。
 ついでに言うと、過去何度か【勇者】とやり合った記録もあるそうで。

「……模擬戦だけでなく、狂った【勇者】の討伐命令などもあるからな。その場合、剣自体をどうこうすることは不可能と伝えられているぞ」

「そうみたいですね」

「その点、【魔王】の剣はよく持つものだ。元より威力の高い剣、そこに【勇者】が持つ対【魔王】の補正もある分、かなりのダメージになると思うのだが……」

「その絡繰りも、もう間もなく開示せざるを得なくなりますかね。ええ、私も大変興味深く思いましたよ」

 おそらく直撃すれば、【魔王】とて無事ではいられないだろう。
 それでも【魔王】には勝算がある、そう分かる不敵な笑みを浮かべていた。

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