虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、お祭りを満喫する

聖獣祭後篇 その14

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 とりあえず、逃げる森獣を捕まえるべく俺は罠を張った。
 追い込み漁のように道を誘導し、じわじわと攻め立てれば……捕獲成功だ。

『こ、これは……』

「この森には、とある結界が張られていますね。そしてそれは、種族を選別したうえで拒絶することができる。ならば、それを解析したうえで、指定する種族を変更すれば……このように、貴方様だけを捕らえられます」

『…………』

「ようやく、顔を合わせていただけました。あれ以来、お体の調子はどうでしょうか?」

 語った通り、結界を構築して捕らえた。
 森獣以外は普通に通ることのできる結界なので、被害は存在せず他の守護獣たちもいっさい反応しない。

 ……もしくは分かっていても、これが俺とこの森獣『緑鹿』の問題だと見て見ぬふりをしてくれているか、だな。

「お久しぶりです、『侵略者』の変以来となりますか? その節は、少々お見苦しいものなどを見せてしまい、申し訳ありません」

『……それはこちらの方こそだ。奴らに蝕まれ、暴れる姿など……』

「お気になさらずとも。それらがすべて、皆さんが勇猛に抗った結果であることはアニストの国民誰もが知っていることです。各分私も、貴方様のお陰であのときにやり遂げられたこともございます」

 解析、そしてそもそもの情報収集においてサンプルになったからだ。
 割と早い段階で遭遇したからこそ、対処できた部分も大きい。

『……そうか』

「私は──『超越者』が末端、『生者』は感謝しております。貴方の懸命な行いは、私にとってとても価値ある物でした。生に執着した結果、この身となり果てた私にとって……それは紛れもない誇らしい行いなのです」

『…………こちらこそ、詫びさせていただきたい。見せる顔が無いと、これまで逃げ続けた自分を悔やみたい』

「いえ、構いませんよ。もしかしたら、共に恥ずべき点があったかもしれません。ですがもう、それは胸の内に仕舞ってこれからのことを話し合いましょう。私には、貴方に会うもう一つの理由があるのですから」

 そう、会って話して終わるわけにはいかないのだ。
 許可を、そして加護を貰ってようやくひと段落付ける。

『理解した。ならば、こちらも相応の態度で応えさせてもらおう。『生者』、貴方は何故先へ進まんとするのか』

 意識を切り替え、真っすぐにこちらに問いかけてくる緑鹿。
 詫びで加護が貰えるほど、世の中は都合よくない。

 なればこそ、真剣に答えよう。
 その成否はともかく、想いとは曝け出すほど相手に響くものだから。

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