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DIY、お祭りを満喫する
聖獣祭後篇 その13
しおりを挟む改めて、入り口の南区画へ向かう。
本来、この場所がもっとも簡単に許可を得ることができるのだ。
そのため、手っ取り早く中央区に行きたい連中は間違いなくここの試練に挑む。
俺はまあ、例の理由でまったく使わなかったが……結局来ることになった。
「許可を得るための試練は、アピール。自分が許可を欲しいと主張して、それを森獣である緑鹿が認めればいい。基本的に欲しいというだけで貰える辺り、本当なら簡単だよな」
大人でも、問われた質問に真っ当な解答ができれば許可は貰えるらしい。
……まあ、言ってみれば面接の真似事をさせられるのが大人の部だ。
もちろん、加護を貰いたいのであればより面接内容は厳しくなる。
そりゃあ自分の力を分け与えるのだから、許可と違ってしっかりと見極めたいはずだ。
「まあ、しいて言うなら見つけ出す必要があるぐらいだけど。まあ、すぐに見つかるか」
自分から人込みに現れ、盛り上げているとのことだし……だからこそ、逃げるのも早々にしていたんだよな。
というわけで、速く見つけて面接をするしかない。
魔核レーダーを使って、探そうと思えばすぐに見つかるだろうしな。
◆ □ ◆ □ ◆
──全然出会えなかった。
いや、見つけてはいるのだ。
魔核レーダーもだいぶ使った結果、その精度も向上している。
お陰様で緑鹿の居場所はすぐに分かり、その都度追いかけてはいるのだ。
だが、逃げられる……俺の気配を掴んでいるのか、一定の距離に近づくと。
「いっそのこと、捕まえた方がいいかもしれないが……さすがに印象が悪すぎるな。いやまあ、もう悪いから逃げられているのかもしれないけど」
あそこまで逃げられるとなれば、それなりに理由があるわけで……そして俺の場合、明確な理由が一つあった。
「どうやら向こう側も、俺のことをなんだか覚えてみるみたいだな。ハァ……これは一番面倒な形になっているんだな」
まあ、覚えていないよりも詫びを入れる側としては助かるんだけども。
あとは、どうやって顔を合わせるかなんだが……どうしたものか。
「『SEBAS』、どうにかする方法は何かあるか?」
《まずは接触しなければ。ですが、旦那様の望む形で邂逅するためには、根気よく当たることが一番かと》
「強引にやらないとなると、やっぱりそうなるよな。他の参加者のこともあるし、速めに解決しないといけないがな」
幸いにして、魔核レーダーは緑鹿の波動をすでに読み取っている。
追いかけられないわけじゃない……うん、ここからはどちらが諦めるかの勝負だな。
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