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DIY、騒動に混ざる

竜の里 その05

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「さて、ここが子供たちの根城だったか」

 昔から、子供の竜たちが秘密基地として用いていたという小島。
 大人も過去を懐かしみ、多少のお痛は許していたからこそ、残っているこの場所。

 それまで使っていたからこそ、ある程度整えられた環境が存在する。
 竜魔法には、自然をどうこうすることのできる魔法もあるから整備したのだろう。

「竜人状態の奴も竜状態の奴もいる。たしか『龍王』さんの話だと、好き嫌いだけじゃなく制御できるかどうかも関わっていたな」

 人型だと能力値がやや下がるものの、器用さなどは上がるので肉体の制御はさらにうまくいくとのこと。

 強引に異界渡航することも可能らしいが、安全にやるなら人型でやるそうだ。
 だからこそ、大人として認められるためには、人型になる必要があるんだよな。

「姿を隠しても、竜の中には優れた『眼』を持つ個体が居る。そして、おそらく孫娘はそれを持ってるんだよな」

 竜眼、字のごとく竜のみが宿す魔眼。
 元からエネルギーの流れを見たり、嘘や欺瞞をある程度見抜けるらしいが……優れた個体は、真実を見抜けるらしい。

 嘘偽りを見抜ける眼と真実を見抜ける眼。
 どちらが厄介かといえば、やはり後者だ。
 嘘偽りを見抜かれても真実を誤魔化す手段はあるが、真実を偽ることはできないから。

「可能な限り、バレないように動こう。移動方法も考えた方がいいかもな……とりあえずそうだな、下から行こうか」

 地面を掻くプログレス『モールクロ―』。
 宝石型の装置にその情報をインストールして、擬似的に起動する。

「派生機能は、触れた地面を一定の間遊泳可能にできるわけだ──“アースプール”」

 入水の構えをして、勢いよくドボンッ。
 本来なら地面に激突するはずが、俺の体は真っ暗な闇に包まれる。

 水中と違い、地面の中に光は届かない。
 鉱物も無いようだし、普通なら精神的に狂いそうだ。

《視覚サポートを実行します》

「おっ、見えてきたぞ」

《安全なルートを検索──ルート案内を開始します》

 だが、俺には『SEBAS』が居る。
 真っ暗な闇はすぐに晴れ、ある程度土の中が分かるようになった……まあ、それでも自分がどうなっているか分かるだけだが。

 加えて進むべき方向を矢印で示してくれるので、あとは何も考えずにその方向に向けて藻掻いていけば辿り着ける。

「そもそも、結界で予め顔を覆ってないと液状化した地面が口に入ってきて悲惨なことになっているだろうけど……これを手に入れた人も、最初は苦労していたんだろうな」

 うん、泳ぐだけなら誰にでもできる。
 ……呼吸ゼロで潜水し続けるというのは、少しばかりハードルが高い気がするがな。

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