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ラグナロク後 その02

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 オーディンの爺様とは、だいぶ語り合える中になったと思う。
 あと、その気になれば見た目は自在にできるようだ……だいぶイケメンだったよ。

 話し合うことも無くなったので、解散することになった。
 このラグナロクは敗者が蘇生される夕刻から、宴を開いた後に解散するらしい。

 つまりそれまで、たとえラグナロクがどれだけ早く終わっても拘束されるそうだ。
 ……早い時は爺様がはっちゃけてグングニルを開幕早々放って、すぐ終わったとか。

「お疲れ様、アインヒルド」

「……はい、お疲れ様でした」

 そして次に向かった場所では、椅子に座り休憩するアインヒルドが居た。
 労いの言葉を入れようとしたのだが……その前に、気になることが。

「ん? なんだ、もう名前はいいのか?」

「ええ。貴方が現在の契約者であること、そしてテュール様に認められた一因であったことに変わりはありませんので。その行いに敬意を表し、私のことを貴方が好きなように呼ぶことを受け入れましょう」

 この戦いを経て、何かしら心境の変化が彼女の中であったのだろう。
 俺が決めた呼び名程度なら、サラッと受け流す精神性を得たようだ。

「というか、いつの間に認められたんだ?」

「刺し違えた際、そう仰られていました。いずれ真の戦いがあったそのときには、戦場へ赴く資格があると」

「真の戦い……」

「小世界であるヴァルハラ、その他にも大世界の中には無数の小世界が存在します。そして、大世界もまた無数に。それらがいずれ、繋がるかもしれないと……そういった予言が主神様にあったようです」

 要するに、北欧神話以外の世界観を持つ場所と繋がる可能性があると。
 まあ、冥界もだいぶごちゃごちゃしているのだ、上の世界も同じなのだろう。

「この世界は方針として、もしそうなったらどうするんだ?」

「まずは対話。そして、それでもダメならば戦いになるとのことです」

「そうか……なら、現状については?」

 すでにヴァルハラ、そして他の小世界は戦乙女たちを通じて他世界と繋がっている。
 冒険世界もその一つ、俺はそこからこちらへ来ているわけだし。

「英霊に相応しい存在が居れば、その受け入れは行うつもりです。貴方の世界では、死者は『冥王』の下に向かわねばならないようですが、予め契約を交わしておけばその限りではございませんので」

「……へぇ、そりゃあ面白い」

 なんだか知らなかった情報が入ってきた。
 死んだからこそ、彼女の領域へ足を踏み入れるわけだ──つまり俺は、生きていながら常時足が付いているとも言えよう。

 だからこそ、彼女は高圧的ながらもある程度優しく接してくれていたのかもな。

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